県庁舎の禁煙問題が、3月29日、庁舎内の全面禁煙を行うことで決着することになりました。(喫煙場所は、庁舎外側に設けられた3カ所の喫煙所に限定されることになりました)
 県は、昨年(06年)秋より庁舎内の全面禁煙を行うことを前提として、庁舎の外側に2カ所の喫煙場所の設置を計画しました。それに対して、たばこ生産者や販売者から全面禁煙化に慎重な意見が寄せられ、先の県議会でも全面禁煙に反対し分煙体制維持を求める請願が賛成多数で採択されました。
 逆に県医師会等は、県が率先して喫煙による健康被害を防止するように行動すべきであり、当然、そのシンボルである県庁舎は禁煙されるべきであるとして、県議会議長宛に要望書を提出しました。
 こうした経緯を経て29日、県管財課は県職員に対して4月1日以降、県庁舎内に設置された4カ所の喫煙所を廃止する旨の通知を行いました。これにより来年度から、庁舎内は全面禁煙となり、庁舎1階の外側に新らたに2カ所の喫煙所が設けられることになりました。県庁の敷地内で喫煙ができる場所は合計で7箇所になります。
県庁たばこ問題、従来の喫煙所廃止・新たに1階に、計7カ所設置
常陽新聞(2007/3/30)
 全面禁煙か分煙か、県議会も巻き込んで揺れた県庁舎内の喫煙問題で、県は二十九日、従来の四、九、十一、二十三階の喫煙室を三十一日で廃止する方針を貫く一方、新たに一階正面玄関東側と一階中庭二カ所の計三カ所に喫煙所を設置。従来の庁舎外三カ所と合わせて七カ所の喫煙所での喫煙に限ることとし、このうち、二カ所に雨風を防ぐ仕切りの囲いを設け、四月以降、対応する。
橋 本知事は四月一日からの庁内全面禁煙に向けて段階的に禁煙機会を拡大し、昨年十月からは週二回の禁煙デーの取り組みを進めてきた。しかし、第一回定例県議会に「県たばこ耕作者組合」から分煙を求める請願が提出され、県議会はこれを採択。一方、県医師会が請願を採択しないよう求める要望書を県議会に提出するなど、分煙、禁煙をめぐる論議が交錯し、橋本知事の対応が待たれていた。
 四月からの県庁喫煙場所は、一階正面玄関東側▽一階中庭二カ所▽福利厚生棟脇▽西駐車場棟運転手控室入口▽一階東通用口付近▽二階正面玄関脇―の七カ所。

中庭などに喫煙所新設、請願採択受け“苦肉の策”
 県庁舎内の喫煙所存廃問題で、県は二十九日、四月から庁舎内を全面禁煙とする一方、庁舎に隣接する喫煙スペース三カ所を新設すると発表した。新設の一カ所は庁舎の中庭で事実上は「庁舎内」。全面禁煙を求める県医師会と、喫煙所維持を求める県たばこ耕作組合の主張の間を取った“苦肉の策”と言えそうだ。
 新設する喫煙所は、一階正面玄関脇の東側一部を囲い込んだ一カ所と、中庭に二カ所。このほか、現在、県庁舎西側にある福利厚生棟の喫煙所も一部を囲い込んで残す。また県庁舎二階正面の玄関脇にあった二カ所の喫煙所は、一カ所を来客者専用として使用する。喫煙所新設の費用は約二百四十万円。これに伴い、庁舎四階、九階、十一階、二十三階にある喫煙室は今月末で廃止する。
 庁舎の禁煙問題をめぐっては、県医師会の強い要請を受け、橋本昌知事が全面禁煙とする方針を決めたが、たばこ耕作組合が喫煙所の維持を求めた請願を県議会が採択。このため、橋本知事は二十三日の記者会見で「両方のサイドからの考え方、意見について十分踏まえながら対応したい」と述べ、結論を先送りしていた。
 喫煙所新設について庁舎を管理する県管財課は「喫煙者にも迷惑をかけないようにするため庁舎外に喫煙所を新設した。医師会は庁舎内禁煙を望んでいたので、両方の顔が立つと理解している」と話している。県医師会の原中勝征会長は「将来的には敷地内禁煙を求めたいが、今回は県議会の採択もありやむを得ない」と話している。