政府は4月20日、多重債務者対策本部を開き、消費者金融などからの多額の借金に苦しむ人の救済を目的とした「多重債務問題改善プログラム」を決定しました。全国の500以上の市町村で相談窓口を整備するのが主なポイントです。
 多重債務問題では、公明党の強い働きかけで、貸し手規制を行う貸金業法が昨年末成立し、上限金利の引き下げなどが09年末をめどに実現することになりました。今回の多重債務問題改善プログラムでは、借り手側の対策として策定され、全国に200万人といわれる多重債務者救済への突破口となることが期待されています。
「多重債務問題改善プログラム」のポイント
多重債務者の相談に対し、2009年末までに全市町村で対応できる状態を実現。500以上の市町村に相談窓口を設置する。
相談窓口や消費生活センターがない市町村は、他の自治体やカウンセリング機関を紹介する。
返済能力があり、問題解決に資するなどの条件を前提に、生活協同組合など非営利機関によるものも含め、低利融資を積極活用する。
高校家庭科の学習指導要領で多重債務問題を扱うことを検討するなど「金融経済教育」を強化する。
ヤミ金融の撲滅へ取り締まりを強化。対応マニュアルを警察官に配布し、違法事例に積極対応する。

 こうした改善プログラムを実行あるものにするためには、市町村の体制づくりが非常に重要になります。特に、多重債務問題に対応できる専門知識を持った人材の確保が最大の課題になります。
 また、行動計画には低利の小口融資を行う仕組みの拡充も盛り込まれたことは画期的です。自治体の預託金などを基に運用する岩手県消費者信用生協(岩手信用生協)が成果を挙げています。岩手信用生協は、全国で唯一貸付事業を行う生協法人として1969年8月に県知事の認可を受けて設立されました。岩手信用生協は、全国に類のない救済システム(スイッチローン)を中心に多重債務への対応を行っています。
参考イメージ
参考:岩手信用生協のHP