長崎市長選無効票1万5000票・期日前投票、故伊藤氏への票多く
日経新聞(2007/4/23)
 4月22日投開票の長崎市長選挙は、無効投票が1万5435票と投票総数の7.7%に達した。選挙中に銃撃されて18日に亡くなった伊藤一長前市長への投票が多く、17日までの7345人の期日前投票が無効票を上積みする結果となった。同市長選は当選者と次点が953票差の大接戦となり、補充立候補や期日前投票などの制度上の問題点が明らかとなった形だ。
 長崎市長選の開票終了時刻は23日午前2時半と予定より大幅に遅れた。市選挙管理委員会は今回からの市長選と市議選の同時開票を原因にあげる。ただ「伊藤一長」などと記した投票も多く、前回の4594票から3倍以上となった無効投票の扱いの確認も開票作業の遅れにつながったとみられる。
 市選管は長崎市長選の最終投票率を55.28%と発表し、後で55.14%に訂正した。不在者投票の請求者数の一部を誤って投票者数に組み入れたためという。

 伊藤一長前長崎市長に対して、改めてご冥福をお祈りいたします。
参考写真 その後の選挙戦については、かなり混乱したようです。選挙戦の途中で候補者が死亡するという不測の事態を、公職選挙法は余り想定していないようです。補充立候補や死亡した候補者の期日前投票の取り扱いなど、公選法の見直しが望まれるとことです。
 ところで、こうした問題提起は当然必要なことですが、23日の一部マスコミに無効投票の写真が掲載されてことには、少し驚きました。例えば、朝日新聞の4月23日付一面(東京本社14版)には右のような無効となった投票用紙が掲載されました。投票の秘密を漏らす行為ではないので、無効票を写真に撮らせても問題ないとは思いますが、どういう思惑で長崎市選管は写真を撮ることを許可したのでしょうか?無効票を写真に撮ったり、コピーを取ったりしてその複製を公表した事例が、茨城県内であったか、県選管の事務局に尋ねてみましたが、今までは一度もなかったということでした。
 たとえ無効票といえ、現に投票された投票用紙が公衆の面前に曝されることには、少し抵抗感があります。