事務所費、5万円以上は領収書・首相が公明案採用
日本経済新聞(NIKKEI NET 2007/5/8)
 松岡利勝農相らの不明朗な経費管理が論議を呼んだ政治資金管理団体の事務所費問題は5月7日、与党調整がようやく決着した。5万円以上の支出に領収書添付を義務付ける公明党案の採用を安倍晋三首相が決断。「政治活動の妨げになる」と慎重だった自民党を押し切った。与党は来週にも政治資金規正法改正案を国会に提出する。「政治とカネ」の問題に後ろ向きでは7月の参院選が戦いにくいと判断した。
 「『領収書を添付すべきだ』という国民の強い声もあり、透明性を高める観点から添付を指示した」。首相は記者団に添付義務付けを決断した理由をこう説明した。法案成立時期でも「提出する以上、成立を目指す姿勢で臨まなければならない」と今国会成立への熱意を強調した。先立って首相は党改革実行本部長の石原伸晃幹事長代理に「公明案で話を進めてほしい」と指示した。

 松岡農相の「なんとか還元水」問題は全く言語道断。国民の政治家とカネにまつわる不信感を増大させた責任は重いと言えます。
 公明党はいち早く、事務所費という政治資金の“出”の問題で一層の透明化を図る改革案づくりに着手しました。4月17日には、政治家個人の資金管理団体について、5万円以上の経常経費(人件費は除く)の支出に領収書の写しの添付を義務付けるとの政治資金規正法の骨子案をまとめました。
 資金管理団体など政治団体は、収支報告書を年に一度提出します。支出欄には、経常経費と政治活動費とを分けて記入します。経常経費は、給料などの人件費や電気代などの光熱水費、コピー機や車などの備品・消耗品費、家賃や電話代などの事務所費のことです。一方、政治活動費は、交際費などの組織活動費や陣中見舞いなどの選挙関係費、書籍購入などの調査研究費などを指します。
 政治活動費の場合、国民がチェックできるように5万円以上の支出には、領収書の写しを添付することになっています。
 これに対して、事務所費など経常経費は、領収書の保管義務はあるものの添付は義務付けられておらず、報告書に総額を記載するだけとなっています。
 本来、領収書の添付が必要な政治活動費の一部を、添付の必要のない経常経費にもぐり込ませていることが問題になっているのです。公明党が主張する領収書添付は、不透明な事務所費問題の再発を防ぐために欠かせない最低限の措置です。
 これに対して自民党は、領収書の添付に対しては、「自由な政治活動ができなくなる」「プライバシーを侵害する恐れがあり、事務作業も大変になる」などの理由から、党内に慎重な意見が根強くありました。
 公明党の強い主張と参院選という選挙対策により、安倍首相はあえて党内の多数派の消極論を切る結論を出しました。まだまだ完全ではありませんが、一歩前進の結論であると思います。