
茨城県内には日立港、常陸那珂港、大洗港、鹿島港の県が管理する4つの港があります。4つの港がそれぞれ特色を持ちながら現在まで発展してきました。
茨城の港を巡る状況は、2009年には北関東自動車道が東北道と、11年には関越道と直結し、2010年には茨城空港が開港するなど、交通インフラが大きく整備されるという好機を迎えています。こうした変化を先取りする形で、常陸那珂港地域には建機メーカーのコマツや日立建機が大型の工場を進出させています。
4月25日に開催された茨城ポートオーソリティの設立記念式典で橋本昌県知事は「これからは港湾と後背地の一体的な整備が不可欠。常陸那珂、大洗、日立の3港は距離的に隣接しながら、名称が別々。はたしてこれで良いのか」と発言し、海外や国内への積極的なポートセールスのためにも一体的な体制整備と名称の統一に前向きな姿勢を示しました。
日立港振興協会の総会で顧問としてあいさつに立った井手よしひろ県議は、「3港の戦略的、一体的整備は非常に重要な課題です。その際、国際的に一番通用する名称を付けることが必要で『ひたち』という名称は、その有力な候補だと確信します」と述べました。
県北3港の統一名称の必要性示唆―知事
県、連絡協設立へ。転換期迎える港湾行政
常陽新聞(2007/4/27付)
県の港湾行政が、一大転換期を迎えている。橋本昌知事は二十五日に水戸市内で開かれた茨城ポートオーソリティ発足記念式典で、常陸那珂港、大洗港、日立港の県北三港の統一名称の必要性を示唆。また、県港湾課は来月中にも関係市町村や港湾管理者、利用者などで構成する「県港湾連絡協議会」(仮称)の設立を予定するなど、県内港湾群の大同団結のビジョンが固まってきた。
港湾戦略の指針になるとみられるのが、近くまとまる予定の茨城港湾戦略懇談会(座長・栢原英郎日本港湾協会会長)の報告書。同懇談会は昨年度、幅広い分野の有識者、港湾専門家など十人のメンバーで発足。本県港湾の将来像と基本戦略について論議を重ねてきた。報告書は港湾群の緊密な連携の必要性、相互補完による相乗効果の創出など、将来を見据えた港湾行政の大規模なビジョンが提示されるものとみられる。
記念式展で、橋本知事は「これからは港湾と後背地の、真に一体的な整備が不可欠。(常陸那珂、大洗、日立港の)三港は距離的に接近しながら、名称が別々。果たして、これでいいのかどうか」と、暗に県北三港の統一名称の必要性について言及。
また、茨城ポートオーソリティの角田芳夫社長(副知事)は、建設が進む常陸那珂港の中央ふ頭、二〇〇九年に東北道、一一年に関越道と接続する北関東自動車道。さらに、茨城空港も一〇年の開港を目指していることを踏まえ、「陸・空のインフラ整備は着実に進みつつある。これからは、港勢拡大で世界に開かれた都市づくりをめざしたい」と海(港湾)の戦略の重要性を強調するなど、知事発言と同一歩調で応じた。
港湾管理の業務提携で、事実上の県北三港合併を果たして発足した茨城ポートオーソリティ。東関東地域の総合港湾として位置が高まる鹿島港ともども、県内の港湾群はいま新たな時代へ、新たな局面への一歩を踏み出そうとしている。