茨城県の人口は8%減の245万人に、高齢化率は35.2%
参考写真 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は、平成18年12月に平成17年の国勢調査をふまえた「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」を発表しました。5月29日、社人研はこの新しい全国人口推計に基づいて新たに都道府県別人口の将来推計を行い、その結果を公表しました。
 それによると、2035年の推計人口は2005年の86.6%にあたる1億1068万人に減少するとしています。都道府県別では東京、沖縄を除く45道府県で人口が減少。このうち19道県では8割以下になり、秋田は68.3%にまで落ち込むと試算しました。
 老年人口の割合は、2020年には30%を超えるところが31道県、30年には42道府県、35年には44都道府県に達します。全国平均も05年の20.2%から35年には33.7%に上昇することが見込まれており、高齢化の進展が一層加速することが懸念されます。
 茨城県の人口推計では、2005年の総人口297万人が、10年には293万人、15年287万人、20年279万人、25年269万人、30年257万人、35年には245万にと8%余り減少すると推計されました。
参考写真 また、高齢化が進み、35年の老齢人口率(65歳以上の人口)は35.2%に達し、3人に1人以上がお年寄りという人口構成になります。さらに深刻なのは後期老齢人口(75歳以上の人口)の伸びで、茨城県では総数が倍増し、21.8%に達します。
 茨城県では、県政運営の基本指針である新県総合計画で、今後の人口について以下のように見通ししています。「将来の人口については、不確定な要素も多く幅を持って見通す必要がありますが、平成27(2015)年頃までは、人口の自然減少が緩やかに進むものの、つくばエクスプレス沿線には魅力ある居住空間が整備され都市的な産業の集積も進み徐々に人口が定着し、一定以上の社会増加が見込まれることから、概ね295〜300万人程度で安定的に推移するものと見込まれます。より長期的には、少子化の進行に加え、高齢化が進み後期高齢者の割合が高まっていくことから、死亡者数が出生者数を大幅に上回る人口の自然減少が急激に進み,平成42(2030)年頃には、概ね270〜285万人程度になるものと見込まれます」
 今回の社人研に見通しには、社会的な要因による人口の増減は加味されていませんので、その推計に差が出ることは当然です。しかし、2030年ベースで13〜28万人の人口予測の差を、今後どのように埋めていくか、果たしてつくばエクスプレス沿線地域の人口増でカバーできるのか、積極的な県勢発展策の実行が必要となっています。
参考:『日本の都道府県別将来推計人口』(平成19年5月推計)について(国立社会保障・人口問題研究所のHP)