6月8日文部科学省は、公立学校施設の平成19年耐震改修状況調査の結果を公表しました。これによると、昭和56年以前に建てられた県内の小中学校の耐震診断実施率は前年の32.6%から72.4%に伸びたものの、全国順位は40位と依然として低い水準だったことが分かりました。全国平均は89.4%で、茨城は17%下まわっています。全棟を対象とした耐震化率は全国平均58.6%に対し44.8%で全国42位と低迷しています。
一刻も早い耐震診断と耐震改修が必要
参考写真 学校施設は、未来を担う子供たちの生命と安全を守る施設であり、地域において、公立学校は災害時や緊急時の避難場所としても機能します。いつ起こっても不思議ではない大規模地震への万全な準備が不可欠で、一刻も早い耐震診断と耐震改修が必要です。
 県内で調査対象となった3346棟のうち56年以前の建物は2120棟、耐震診断を実施したのは1534棟に止まっています。19年度内に実施予定であったり、統廃合や改築の計画がある施設を加えても診断実施率は85.5%(全国平均96.2%)にとどまっています。
 市町村別にみてみると、耐震化100%を達成しているのは龍ケ崎市と五霞町。他8市町村が18年度までに全棟診断が完了しています。反対に、まったく実施していない大洗町や潮来市など5市町が1けた台となっており、自治体間で格差が広がっています。
 また、171棟ある幼稚園の診断実施率は55.1%で全国25位だが、耐震化率は28.1%で全国44位となっています。
 耐震基準法が改定された昭和56年以前に建てられた施設は、老朽化のため補強ではなく改築する必要があり、多額の改修経費がかかります。
 各市町村は、危機的な財政状況の中、学校の耐震化を一気に進める手法は見当たりません。
 県が設置者となる施設についても、高校が診断実施率56.4%(全国43位)で耐震化率52.4%(全国30位)、特別支援学校が診断実施率38.7%(全国45位)で耐震化率58.7%(全国43位)と低迷しています。