7月5日、インターネット検索の最大手、グーグル社は、書籍の中身を日本語で全文検索できるサイト「Google ブック検索」(BETA版)を開設しました。
 「Google ブック検索」とは、書籍の全文を検索して、ユーザーの興味にあった書籍を見つけ出し購入できる場所や貸出先を案内するサービスです。Google ブック検索 や、 Google.co.jp で検索した際に、検索語句と一致する内容を含む書籍が見つかると、その書籍へのリンクを表示します。
 書籍名のリンクをクリックすると、図書カード、カタログ、エントリなどの書籍の基本情報を見ることができます。また、検索語句を含む書籍からの抜粋が表示される場合や、Googleパートナープログラムを通じて出版社もしくは著者の許可がある場合は、書籍の数ページが表示されます。著作権が消滅している書籍については、全文を読むことができます。いずれの場合にも、書籍を購入できるオンライン書店へ直接移動するリンクが表示されます。
 マスコミ各社の報道によると、現在登録されている書籍数は数万点ということで、今後、出版社からの登録を受け付けると言うことです。
 早速、「Google ブック検索」で、「吾輩は猫である」と夏目漱石の誰でも分かる一節を検索してみました。
参考写真
 そうすると、全部で8件の書籍が検索されました。漱石の「吾輩は猫である」は、まだ登録されていないようです。全文検索できるもの、部分検索できるもの、検索の前後の文章を表示するもの、書籍の基本情報だけを表示するものと4種類に分けて、検索結果が表示されます。これは、著作権に対する対応です。
 また、googleでは、「日本語版図書館プロジェクト」も同時に開始しました。いくつかの主要な図書館の蔵書をGoogle ブック検索に登録するとともに、図書館カード カタログのような書籍の情報と、場合によっては検索語句を含む文章の一部を書籍の抜粋としてユーザーが閲覧できるようにする作業を進めています。このプロジェクトの目的は、より多くのユーザーを書籍をより簡単に見つけ出す手伝いをすることとしています。最終的な目標は、出版社および図書館と連携して、すべての書籍の包括的で検索可能な仮想カードカタログをすべての言語で作成することです。それにより、ユーザーは新しい書籍を発見しやすくなり、出版社も新しい読者を得やすくなるとうたっています。
 いずれにせよ、日本の出版界や図書館にあって、まさに黒船の登場です。今後、加速度的に登録される書籍が増えていくことを大いに期待したいと思います。
参考:Google ブック検索(BETA)