d312c8c3.jpg 8月17日午後、井手よしひろ県議は、サンケァフューエルス株式会社(Sun Care Fuels Corporation)を訪問し、環境に優しいひまわりを原料に「バイオディーゼル:BDF」を製造するプラントを視察しました。若林恒平代表取締役社長、住川武禧海外事業担当取締役より、貴重なお話を直接お伺いすることができました。
 サンケァフューエルス社のBDF製造の取り組みは、「土浦市内でバイオディーゼル燃料の実走試験」(2007/4/10付)で紹介しています。実証プラントは5月に完成し、7月から本格的な実験が開始されていました。
 サンケァフューエルス社は、2004年6月、筑波大発32番目のベンチャー企業として応用生物学系の松村正利教授(現サンケァフューエルス取締役会長)らにより設立されました。(「ヒマワリ油のオゾン処理によるディーゼル・エンジン燃料の生産」NEDOの補助で行われた松村教授の研究論文
 事務所兼研究所とパイロットプラントは、約2490平方メートルの敷地内に約2億5000万円かけて、NEDOの補助を受け建設されました。
 創立者の松村教授は、TBSテレビの「夢のとびら」でも紹介され、「2012年までに大型バス3000台をひまわりで走らせる」と、この事業に賭ける決意を表明しています。
 サンケァフューエルス社の事業にはいくつかの特徴があります。その一つは、世界的な規模でのBDFの大量生産計画です。特に、地球温暖化対策の一貫として、タイの東北部で22,500haの遊休農地を活用し年間15,000トンのBDFを製造しようというCDMプロジェクト(京都議定書の中で位置づけられたクリーン開発メカニズムのことで、先進国と途上国の共同プロジェクトで生じたCO2の削減量を当該先進国が取得するというもの)を現在推進中です。
 ひまわりの栽培は、その殆どが遊休耕地を使用します。例えば、とうもろこしの栽培が終わり、その裏作としてひまわりを植えます。ひまわりととうもろこしの輪作はとても相性が良く、地味の減退を防ぐことができ、とうもろこしの栽培量も結果的に増えることになります。また、そうすることで、地元の農家の方々にも新たな収入が生まれます。決して、従来、何かを植えていた畑をつぶしたり、ジャングルを切りひらいてひまわりを栽培するということではありません。
 現在、土浦市で稼働しているプラントは、こうした海外の大型プロジェクトの実験施設であるわけです。
 特徴の2つめは、世界的な基準もクリアする高品質の100%BDFの製造に特化していることです。通常は、一般的な軽油にBDFを5%ないし3%混ぜることで燃料として販売されています。近い将来、税制上の優遇措置なども導入されれば、環境に優しい100%BDFの市場は確実に広がっていくと思われます。
 3つめは、低速時のトルク不足や寒冷地で使用できないなどのBDFの欠点を補う添加剤の開発です。この添加剤も、ひまわりをもとに製造されており、環境負荷の心配のない製品です。
 このサンケァフューエルス社の取り組みが、CO2排出削減や今後のエネルギー問題に解決、発展途上国の産業活性化などに貢献できることを大いに期待したいと思います。
参考:サンケァフューエルス株式会社の公式HP