9月県議会の代表質問、一般質問の5日間に亘る論戦が終了しました。登壇した述べ13人の質疑で、特に目立ったのは、県内の救急医療体制の整備でした。ドクターヘリの導入、中核的救急医療機関の整備、日立・行方などの地域救命救急センターの整備、小児救急の充実などさまざまな視点から、議論が交わされました。
こうした設備やシステムの充実以外でも忘れてはならないのは、「プレホスピタルケア」の充実です。
プレホスピタルケアは「病院前救護」などと訳されますが、救急現場や搬送中に高度な処置を行うことで、救急・救命効果を高める取り組みです。広い意味ではドクターヘリの活用なども含まれます。また、日本では主に、公明党が主張し1991年4月に法律が整備されて誕生した救急救命士がその役割を担ってきました。
さらに、現在では一歩進んで、市民が救急医療で果たす役割も大きくなってきています。最近では、2004年7月から一般市民の使用が解禁された「自動体外式除細動器」(AED)による救命効果に注目が集まっています。
消防庁のまとめによると、昨年(2006年)1年間に病気や交通事故などで心臓や呼吸が止まって倒れた患者の応急手当てに、一般市民がAEDを活用したケースは254件に上り、前年の3倍以上に急増しました。このうち140件では心筋梗塞など心臓病の手当てに使われ、救急搬送された患者の1カ月後の生存率は32.1%と、AEDを使わなかった場合の8.3%に比べて、4倍以上の生存率になっていることが証明されています。
市民の協力を得て効果が期待できる救急処置では、次の課題としてハチ毒や食物、薬物などに起因するアナフィラキシーの補助治療剤であるアドレナリン自己注射(製品名「エピペン」)を第三者が使える環境整備が急がれています。
アドレナリン自己注射は、食物アレルギーなどに起因する重い症状、短時間のうちに処置しなければショックで死亡する可能性もある呼吸困難や血圧低下、意識を失った時などに効果を発揮します。ただ、本人か家族しか使えない現状では、本人が意識を失ったり小さな子では使えないことも多く、そうした子を預かる学校関係者や保護者などから、周囲の第三者が代わりに打てる環境を整備してほしいとの声が上がっています。
こうした設備やシステムの充実以外でも忘れてはならないのは、「プレホスピタルケア」の充実です。
プレホスピタルケアは「病院前救護」などと訳されますが、救急現場や搬送中に高度な処置を行うことで、救急・救命効果を高める取り組みです。広い意味ではドクターヘリの活用なども含まれます。また、日本では主に、公明党が主張し1991年4月に法律が整備されて誕生した救急救命士がその役割を担ってきました。
さらに、現在では一歩進んで、市民が救急医療で果たす役割も大きくなってきています。最近では、2004年7月から一般市民の使用が解禁された「自動体外式除細動器」(AED)による救命効果に注目が集まっています。
消防庁のまとめによると、昨年(2006年)1年間に病気や交通事故などで心臓や呼吸が止まって倒れた患者の応急手当てに、一般市民がAEDを活用したケースは254件に上り、前年の3倍以上に急増しました。このうち140件では心筋梗塞など心臓病の手当てに使われ、救急搬送された患者の1カ月後の生存率は32.1%と、AEDを使わなかった場合の8.3%に比べて、4倍以上の生存率になっていることが証明されています。

アドレナリン自己注射は、食物アレルギーなどに起因する重い症状、短時間のうちに処置しなければショックで死亡する可能性もある呼吸困難や血圧低下、意識を失った時などに効果を発揮します。ただ、本人か家族しか使えない現状では、本人が意識を失ったり小さな子では使えないことも多く、そうした子を預かる学校関係者や保護者などから、周囲の第三者が代わりに打てる環境を整備してほしいとの声が上がっています。
こうした声を受けて公明党は昨年(2006年)9月15日、救急救命士が駆け付けて自己注射を使えることが大きな安心材料となることから、救急救命士による自己注射の使用を認めるよう、患者とともに厚生労働省に申し入れました。
先の除細動も、救急救命士は当初、医師の指示のもとで行っていました。今では救命士の判断でできるようになり、AEDを使う除細動は一般の人でもできるようになりました。アドレナリン自己注射の使用も当面は救急救命士に拡大し、さらに養護教諭などに広げていくのが現実的な道筋であると考えます。
プレホスピタルケアでは、医師の指示のもとで救急救命士などが行う応急処置の質を確保する「メディカルコントロール」が問題になります。アドレナリン自己注射は診断に基づいて個々に処方され、使用のタイミングも指導されています。周囲が情報を共有することで一定のメディカルコントロールを確保するができます。救急対応から救急の「予防」へ、国は実効性を高める対応を急ぐべきです。
先の除細動も、救急救命士は当初、医師の指示のもとで行っていました。今では救命士の判断でできるようになり、AEDを使う除細動は一般の人でもできるようになりました。アドレナリン自己注射の使用も当面は救急救命士に拡大し、さらに養護教諭などに広げていくのが現実的な道筋であると考えます。
プレホスピタルケアでは、医師の指示のもとで救急救命士などが行う応急処置の質を確保する「メディカルコントロール」が問題になります。アドレナリン自己注射は診断に基づいて個々に処方され、使用のタイミングも指導されています。周囲が情報を共有することで一定のメディカルコントロールを確保するができます。救急対応から救急の「予防」へ、国は実効性を高める対応を急ぐべきです。