参考写真 安倍首相の辞任表明に伴う自民党の総裁選挙もいよいよ大詰めを迎えました。自民党は、9月23日に総裁選出選挙を行い、連休明けの9月25日午後に首班指名選挙を国会で行う予定です。こうした状況の中、公明党は9月20日午前、党本部で中央幹事会を開き、24日に行う自公連立政権協議に臨む基本姿勢を取りまとめました。
 「基本姿勢」では、人口減少、少子高齢化、経済のグローバル化など社会の激変に対応した改革を政治は責任を持って断行する必要があるとした上で、「連立8年の改革の成果を踏まえ、改革は継続しつつ、負担増・格差の緩和など国民生活に重きを置いた方向に政策を修正することが必要」と強調しています。
 その上で、新たな政権の最優先課題は「暮らしへの負担を和らげ、地域を活性化すること」とし、「政治は弱い立場の人を支え、命を守り、若者の未来を開くことが最重要の役割」と強調。妊婦のたらい回し事件などの再発を防止する「命を守る安全網」の整備や、「女性が安心できる社会」の実現に全力を挙げるとしたほか、「政治とカネ」の透明化について、国民理解が得られる見直しを行うとしています。
高齢者医療制度での負担増凍結
自立支援方の抜本見直し
児童扶養手当の縮減を凍結

 具体的な重点事項として、「負担増・格差の緩和」では、来年4月にスタートする高齢者医療制度で家族の扶養親族になっている高齢者からの保険料徴収を凍結するとともに、70〜74歳の窓口負担を1割に据え置くよう求めるとしました。障害者自立支援法の抜本的見直し、児童扶養手当の見直しの凍結を打ち出していますた。
 「地域を活性化する」では、国から地方自治体への一層の税源移譲や、地方間の税収の偏りを是正する地方税改革、地方交付税の見直しによる地方財源の確保を図るとしています。
 「若者の未来を開く」では、フリーターの常用雇用化や、ニートの自立支援など総合的な雇用対策を推進します。
 「命を守る安全網」では、救急医療体制の整備に向けて、広域連携システムの構築を進め、救急医療の体制整備に関する法制化の検討を表明しました。
 「女性が安心できる社会」では、妊産婦健診の無料化のさらなる推進をめざすとしています。
政治資金:1円以上の領収書添付を義務化
 「『政治とカネ』の透明化」では、政治資金規正法を再改正し、政治団体の経常経費・政治活動費について、1円以上の領収書添付を義務付けるよう求めていくことになりました。
 中央幹事会終了後、記者会見した北側一雄幹事長は、政治資金規正法の再改正について、「政治資金の透明化をより進めるよう『再改正すべし』というのが多くの国民の意見だ。政権協議をやってみないと分からないが、できるだけ突っ込んだ形で合意できるように努力したい」と述べました。
 また、2011年度に国と地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化させる政府方針について、「財政健全化の道筋を付けることは極めて重要な課題。次の世代に借金、ツケを残さないことは政治の大きな役割だ」と強調するとともに、「行政のムダを徹底して省き、財政規律を維持しなければならない」との考えを示しました。その上で、「格差問題や負担増問題などに対応するために、さまざまな制度の見直しを(検討)する中で、当然、具体的な財源の問題が出てくる。(その時に)『2011年度までに』ということを錦の御旗、金科玉条にする必要はないのではないか、そこは議論はして良いのではないかと申し上げている」と改めて強調しました。
(写真は、連立政権協議に臨む基本姿勢を発表する北側幹事長)