
患者の収容時間は、平成10年に平均で26.7分であったものが、昨年は、34.4と8分近く遅くなっています。一方、出動から現場到着までの時間は5.9分から6.7分と1分未満の延長に止まっています。これは、患者を救急車に収容してから、搬送する病院を決めるまでの時間が、従来より長くなっているということです。
救急の現場では、患者を搬入する病院が中々一度で決まらない、という話を良く聞きます。先日、水戸消防本部でのヒアリングでは、「2箇所以下の通信で収容病院が決まる率が90%、3箇所以下で95%が決まり、5%は4箇所以上に収容を要請してはじめて搬送先が決まる」との説明がありました。一箇所の通信に2〜3分かかると仮定すると、3箇所電話すれば5分以上収容時間をロスすることになります。
水戸消防管内の患者の収容時間は、平均35.7分と、県平均の34.4分を上回っています。交通渋滞なども要因の一つと考えますが、水戸地区には北は大子町、東はひたちなか市、西は笠間市、南は茨城町まで10の消防署があり、いずれも患者の多くが水戸市内の主要病院に搬入されています。そのメディカルコントロールが一元化されていないところに、収容時間の短縮ができない要因の一つがあることは間違いありません。
国では、平成24年度を目処に消防署の広域化を図っています。県は、こうした国の方向性も加味し、市町村消防の広域的な連係、メディカルコントロールセンターの充実を図るべきです。
