9月23日午後、民主音楽協会(民音)主催の中国雑技団公演「龍鳳伝説」を鑑賞しました。中国雑技団は、1950年に周恩来首相のもと設立されました。現在は北京市政府の指導で、中国国内最大の雑技団として発展を続けています。民音は、中国の芸術文化の日本への紹介には多くの功績を残し、今回の中国雑技団の公演も、今までのスケールや芸術性を大きく凌駕するすばらしい内容でした。
参考写真 特に、今回各出演者の技のすばらしさはもとより、その極限の技を120%際立てさせた演出の妙は特筆に値します。この舞台の演出を担当した何暁彬氏は、「私自身舞踊が専門で、舞踊の演出をしておりましたが、今は雑技の演出をしております。舞踊を取り入れながら雑技を芸出作品として皆さまにお届けしたいと思っています」と述べています。まさに何暁彬氏の演出は、中国雑技をこれまでとはひと味もふた味も違った芸術に昇華しています。120分の公演は息つく暇もなく終了しました。盛大なカーテンコールの後、なぜか力が入り肩が凝ってしまったのは私だけではないと思います。
 パーフェクトな演技は最高に感動しました。想像を絶する人間の能力に、心から拍手を送りたいと思います。しかし、その上で、やはり人間が行うパフォーマンスですので、皿回しの皿が落ちたり、輪くぐりで輪を崩したりする極小さな失敗があります。そうした失敗した時に、一流の演技者はさらりとその失敗をカバーします。落ちないようにお皿が固定されているのではとの疑問が払拭されて、むしろ安心させられたほどです。多分、演技者は失敗した際の身のこなしまで訓練を受け、練習を繰り返しているのはないかと推測します。プロとは技を完璧にこなすものをいうことは間違いありませんが、失敗したときにどう対応するか、そこに真骨頂があると考えさせられました。
参考:中国雑技団公演「龍鳳伝説」のHP
参考:中国雑技団公演「龍鳳伝説」のプロモーションビデオ