県内の配備台数は679台(平成19年3月末)
参考写真 心肺停止に陥った場合、一刻も早い応急手当てが生死を分けられます。心臓の鼓動を回復させるのに大きな力を発揮するのが自動体外式除細動器(AED)です。2004年7月から医師の指示がなくても一般市民が扱えるようになり、公共施設や交通機関など人が集まる場所への設置が進んでいます。
 茨城県内では、今年3月末で県立施設に178台が設置されました。特に県立学校155校にはすべて配置が完了しています。市町村おいては501台が配備されており、市町村消防が所有する144台の救急車についても、当然装備が完了しました。
AEDの使用で生存率が4倍に
 9月7日には、総務省消防庁がAEDの効果について調査結果を公表しました。それによると、心肺停止状態に陥った急病人に対し、一般市民がAEDを使って救急処置を行った場合、使わなかった場合に比べ1カ月後の生存率が約4倍に上っています。AEDや人工呼吸などによる市民の応急手当て実施率は35.3%に達しています。
 井手よしひろ県議は、こうしたAED導入の効果をもとに、全ての公立学校への早期整備や保健所への貸し出しようの機器の拡充を急ぐべきと、9月24日の予算特別委員会で主張しました。
「様々な条件下での救急救命処置の生存率への効果に関する結果報告:ウツタイン様式調査オンライン処理システム」の平成17年中登録データ(確定)・平成18年中登録データ(速報)概要」
総務省消防庁の公表資料(2007/9/7)
(1)一般市民による応急手当が行われた場合の1 ヶ月後生存率は平成17 年8.7%、平成18 年10.1%で、行われなかった場合と比べて、それぞれ約1.4 倍(2.6 ポイント)、約1.4 倍(2.9 ポイント)高くなっています。
そのうち、一般市民による除細動が行われた場合の1 ヶ月後生存率は平成17 年26.9%、平成18 年32.1%で、行われなかった場合と比べて、それぞれ約3.8 倍(19.8
ポイント)、約3.9 倍(23.8 ポイント)高くなっています。また、一般市民による除細動の件数は平成17 年の78 件から平成18 年の254 件と176 件増加しております。
(2)救急隊員による心肺蘇生の開始時点についてみると、心肺停止時点が目撃されてから3分以内なら1 ヶ月後生存率は平成17 年11.7%、平成18 年12.9%、3〜5分以内なら平成17 年10.8%、平成18 年11.9%、5〜10 分以内なら平成17 年9.7%、平成18 年11.3%、10 分以上なら平成17 年4.9%、平成18 年5.9%となっており、早期の心肺蘇生の重要性が明らかです。
(3)救急隊活動時における除細動適応症例の1ヶ月後生存率は平成17 年17.5%、平成18 年20.5%であり、行われなかった場合と比べて、それぞれ約5.1 倍(14.1 ポイント)、約5.4 倍(16.7 ポイント)高くなっています。