茨城県の健康余命全国順位:男性3位、女性1位
 平均寿命(平均余命)とは別に、健康で身体的な能力を発揮できる(あるいは疾病、障害がなく生きられ)と期待される寿命を「健康余命」と呼んでいます。
 この健康余命を算出することは、都道府県や市町村などが様々な健康政策や介護政策を立案し、その結果を総括するためには、非常に重要なことになります。
 国際医療福祉大学在宅地域ケア研究センターの栗盛須雅子講師、国立保健医療科学院疫学部の福田吉治疫学情報室長らのグループは、「介護保険統計を用いた都道府県別障害調整健康余命(DALE)と健康指標としてのその意義」を本年(2007年)8月号の「厚生の指標」に発表し、都道府県毎の健康余命について科学的手法での比較法を提案しました。
 栗盛氏らは介護保険の介護度(要支援、要介護1〜5)ごとに障害の重みを数値化。2006年3月の介護保険認定の結果を用いて、この数値に各県の認定者数を掛けることで「障害の量」(加重障害保有割合・WDP)を算出しました。
 茨城県の場合、WDPは男性が49.24、女性が56.74となり、それぞれ全国2番目に低くなっています。これは、介護度の重い人や寝たきりの人が少なく、健康度が高いと言える結果になったことを示しています。
 一方、茨城県の65歳の平均余命は2000年現在、男性17.29年、女性22.12年です。WDPと平均余命を基に算出した健康余命は、男性16.03年、女性19.32年となりました。健康余命が平均余命に占める割合は男性92.7%、女性が87.3%となり、全国順位は男性が3位、女性は全国トップとなっています。茨城県は、平均余命が他県よりやや短いものの、健康に過ごせる期間の割合は長く、寝たきりなどが少ないことが統計上実証されました。
65歳の平均余命(LE65)の
都道府県別順位
順位男性女性
1位沖縄16.45年沖縄24.10年
2位長野18.38年島根23.27年
3位熊本18.15年熊本23.08年
47位青森16.52年青森21.87年
46位大阪16.98年大阪21.93年
45位秋田16.98年愛知22.02年

65歳の障害調整健康余命(DALE65)の
都道府県別順位
順位男性女性
1位長野16.93年福井20.07年
2位熊本16.65年沖縄20.02年
3位山梨16.59年山梨19.87年
47位青森16.52年大阪18.25年
46位大阪16.98年青森18.35年
45位秋田15.43年秋田18.42年

65歳の加重障害保有割合(WDP)の
都道府県別順位
順位男性女性
1位山梨48.11福井53.82
2位茨城49.24茨城56.74
3位宮崎49.87静岡57.03
47位大阪74.05大阪91.04
46位沖縄71.98徳島87.23
45位秋田70.27青森86.33