参考写真 10月14日、井手よしひろ県議らは、水戸市渡里の国土交通省霞ヶ浦導水那珂川機場を訪れ、霞ヶ浦導水の進捗状況並びに千波湖浄化のための桜川への通水の準備状況を、国土交通省関東地方整備局霞ヶ浦導水工事事務所の清水俊夫事務所長ら幹部職員より聴取しました。この調査には、井手県議をはじめ、水戸市選出のたかさき進県議、つくば市選出の田村けい子県議が参加しました。
参考写真 霞ヶ浦導水は霞ケ浦の水質浄化、那珂川と利根川の渇水対策、茨城県を含む首都圏の水利権確保などを目的に各所をトンネルやポンプなどで結ぶ大規模プロジェクトです。総事業費は1900億円で、昨年度末の進捗率は予算消化ベースで約75%です。
 この霞ヶ浦導水計画の中で、那珂機場から水戸縦坑までの6.8キロはすでに完成しています。そこで、那珂川の水を取水し、桜川を通じて千波湖へ通水することで、千波湖の水質を改善しようとする計画が進んでいます。
 那珂川の取水口である那珂樋管工事は、2008〜09年度の2カ年計画で、2010年度には試験運用を予定しています。
 しかし、那珂川に関係する漁業組合は、この試験通水に反対する姿勢を鮮明にしはじめています。
参考写真 10月17日には、城里町の那珂川漁協が総代会を開き、計画撤回などを冬柴国交相に陳情すると満場一致で決定しました。栃木、茨城両県にまたがる那珂川はアユの一大生息地であり、那珂川漁協は那珂川への取水口設置によって(1)孵化したばかりのアユが吸い込まれる、(2)霞ケ浦の浄化されない水が流れ込み生態系に悪影響がでる、などと懸念を表明しています。「納得できる対策が講じられていない」として、着工と取水開始の即刻撤回を要求することでまとまりました。
 これに対し事業主体の霞ケ浦導水工事事務所は、(1)取水口へスクリーンや魚類等を取水口から遠ざける吹き流しなどを設置することで、魚類等が導水施設に吸い込まれることを防ぐ、(2)霞ヶ浦から那珂川への送水の際に霞ヶ浦の水をろ過して送水する、などの対策を行うとしています。
 那珂樋管工事は、漁協の漁業権などの制約を受けないため、漁協の協力が得られない場合も強行することが可能です(もちろん、実際に魚資源等に影響が出た場合は、漁協は稼働停止や損害賠償など訴訟を起こすことはできます)。しかし、霞ヶ浦導水工事事務所では、「今後も話し合いを続け、理解を求めたい」とねばり強く話し合いを進める姿勢を明らかにしました。
参考:国土交通省関東地方整備局霞ヶ浦導水工事事務所のHP