横山大観の「夜桜」の圧倒的迫力を堪能
参考写真 10月26日、茨城県天心記念五浦美術館(北茨城市大津町椿2083)で、開館10周年記念企画「大倉集古館の名宝」展のレセプションが行われました。五浦美術館は、岡倉天心や横山大観をはじめとする五浦の作家たちの業績を顕彰するとともに、優れた作品が鑑賞できる美術館として平成9年11月8日に開館しました。昨年(2006年)9月10日、開館から8年10カ月で入館者が200万人を突破した人気スポットです。
 10周年記念企画は、日本初の私立美術館「大倉集古館」のコレクションの中から2部に分けて、著名な日本画の代表作が展示されています。ホテルオークラの創業者である実業家大倉喜八郎により、大正6年に設立された大倉集古館は、参考写真国宝・重要文化財を含む数多い日本・東洋の古美術品に加え、子息の喜七郎によって昭和5年にイタリアで開催された当時を代表する日本画家による「ローマ開催日本美術展」の出品作を中心とした近代日本画の優品を揃えた美術館として広くその名が知られています。
 今回の展示会には、月の輝く春の夜、かがり火に照らされて豪華にうつし出される満開の桜を描いた横山大観の傑作「夜桜」、前田青邨の「洞窟の頼朝」など、昭和初期の日本画家が描いた名作26点が展示されています。美術愛好家にもっとも人気がある作品といわれる「夜桜」ですが、実物は割合小振りの作品でした。そかし、その存在感は圧倒的で、山桜が掛かり火に照らされた風景は、神々しい雰囲気を漂わせていました。
 レセプションでは、川俣勝慶副知事、大倉集古館の大倉喜彦館長らが挨拶。開館10周年の記念展の開催を祝いました。
 なお、「大倉集古館の名宝」展の会期は、12月9日までですが、「夜桜」の展示は、前期(10月27日〜11月18日)期間中のみです。お早めにご鑑賞下さい。
(写真上:茨城県天心記念五浦美術館の外見、写真下:展示された大観の「夜桜」・・美術館の許可で撮影しました)
天心記念五浦美術館開館10周年記念企画「大倉集古館の名宝」展
期 間平成19年10月27日[土]〜12月9日[日]
開館時間午前9時30分〜午後5時
(入館は午後4時30分まで)
休館日月曜日(ただし11月12日[月]は開館)
入館料一般600(500)/高大生400(300)/小中生200(150)円
※( )内は20名以上の団体料金
※満70歳以上の方と障害者手帳をご持参の方等は無料
※11月13日(火)、茨城県民の日は無料。
※土曜日は高校生以下無料
主 催茨城県天心記念五浦美術館
特別協力大倉集古館、ホテルオークラ東京
後 援NHK水戸放送局

参考:茨城県天心記念五浦美術館のHP
県天心記念五浦美術館 10周年展きょう開幕
茨城新聞(2007/10/27)
「大倉集古館の名宝」 大観の名作や国宝など64点
 北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で、開館十周年記念の企画展「大倉集古館の名宝」が二十七日に開幕する。開会式が二十六日、県や地元の関係者らを集めて開かれ、横山大観の名作「夜桜」や国宝、重要文化財など六十四点がお披露目された。会期は十二月九日まで。
 開会式では主催者を代表して、川俣勝慶副知事が「近代日本画の発展に貢献した岡倉天心の業績や大観らの作品紹介に貢献してきた」と美術館の歩みを振り返り、来賓の大倉喜彦同集古館長は「天心先生が『東洋のバルビゾンに』と理想を燃やした地で所蔵品の展覧会が開けることを喜んでいる」と祝辞を述べた。
 この後、川俣、大倉両氏や稲葉節生県教育長、天心記念五浦美術館の大久保武館長、同館の本館である県近代美術館の市川政憲館長らが並んでテープカットした。
 同展には大観の昭和初期の傑作とされる「夜桜」をはじめ、鎌倉時代の作品で国宝の「隋身庭騎(ずいじんていき)絵巻」、重要文化財の「石清水八幡曼荼羅図(いわしみずはちまんまんだらず)」、同じく重文で江戸時代の久隅守景作の「加茂競馬(くらべうま)・宇治茶摘図」など六十四点が出品される。
 天心記念五浦美術館は一九九七年十一月に開館。入館者は年平均約二十二万人で、全国の地方公立美術館でトップクラス。会期中に二百二十万人達成が見込まれている。