市町村毎の取り組み姿勢に差
 近年、子どもが巻き込まれる悲しい事件が相次ぎ、子どもの安全をいかに守るかが大きな課題となっています。子どもの安全を求める親のニーズに応え、安心して遊べる「居場所」を確保し、のびのびと過ごすことが出来るよう公明党の強い政策提言により、今年から「子どもの放課後対策」に、いよいよ国が本格的に力を入れて取り組むこととなりました。それが、厚生労働省と文部科学省の連携により実施される「放課後子どもプラン」です。
 いままで、子どもたちの放課後の居場所作りは、厚生労働省の放課後児童健全育成事業として、「児童クラブ」「学童保育」などの名称で行われてきました。共働き家庭など留守家庭のおおむね10歳未満の児童に対して、放課後および長期休業期間に実施されており、その数は県内で466箇所に上ります。
 一方、文部科学省の「放課後子ども教室」はすべての子どもを対象として、地域の方々の参画を得て、安全・安心な子どもたちの居場所を設け、子どもたちと共にスポーツ、文化活動、地域住民との交流活動等の推進を図ることを目的にした事業です。平成19年度県内300箇所の目標に対し、118箇所で開設される予定となっています。
放課後児童クラブと放課後子ども教室
事業名放課後児童クラブ放課後子ども教室
管轄厚生労働省文部科学省
県内実施数466カ所(07年10月末現在)118カ所(07年開設予定)
対象親が就労等による留守家庭の児童で、主に小学校1〜3年生小学校1〜6年の全児童
実施場所主に学校内や児童館主に学校内
実施日放課後や土曜日、長期休業期間平日の毎日開催
活動内容学習(宿題)、軽食、遊び、休息等スポーツ、工作、昔遊び等
利用料有料(月額1万円前後)原則無料
人員配置専任指導員(設置者が認める資格保持者)指導員・ボランティア(地域の高齢者や青少年・スポーツ団体関係者、PTA 関係者、教員OB等)

 親の就労にかかわらず、地域を挙げてすべての子どもたちの育ちを支えるこの「放課後子どもプラン」は、地域の教育力の向上のためにも、何としても成功させなければならない重要な事業です。
 この事業は市町村において学校の余裕教室等を利用して、両事業を一体的あるいは連携しながら推進することとなっております。しかしながら、「放課後子ども教室」は、「放課後児童クラブ」が実施されていない地域では比較的容易にスタートしているものの、児童クラブが活発な地域では、事業の整合がむずかしく、現場では様々な問題を抱えています。指導員の処遇、保護者負担金の取り扱い、ボランティアの確保、責任体制などの面で課題が指摘されています。
 井手よしひろ県議の調査によると、県内の市町村別の「放課後子どもプラン」の実施状況は、以下のようになっており、自治体毎のバランスも崩れていると言わざるを得ません。来年度の予算編成に向けて、少なくても各小学校区に一箇所の設置が強く望まれています。