11月13日、公明党農林水産部会(部会長=西博義衆院議員)は、農林水産省を訪れ、若林正俊農水相に、政府の進めている農政改革4対策の見直しに関する申し入れを行いました。
 この要望は、党農業活性化推進本部などが全国各地の農業地域を訪れ、農家からの声を聞く中で強く訴えられてきた「小規模農業者等への支援」をはじめ、政府が新たな農政改革として掲げている「米政策改革」「品目横断的経営安定化対策」「農地・水・環境保全向上対策」の拡充、見直しを加えた四つの対策が柱になっています。
 それによると、小規模農業者などへの支援策として、意欲的な農家などを「チャレンジ・ファーマー」と位置付け、「担い手」へ育成・誘導する支援策を求めるとともに、小規模農家などが永続的に農業を続けられるよう、集落営農組織への支援や農業生産法人化育成・誘導策を講じることを求めています。
 さらに、継続営農を希望する小規模農家や高齢者農家を「地産地消・担い手農家」として支援するため、直売所、ファーマーズマーケットの整備を推進するよう要望しました。
 また、米政策改革を一層推進するために、生産調整への取り組み強化や産地づくり交付金の抜本拡充、生産調整に協力する農家への交付金の「奨励加算」「継続加算」などメリット措置を講じるとともに、「めざましごはんキャンペーン」など米の消費を拡大する国民運動を積極的に推進することを要望しています。
 さらに、対象品目の拡充や米価下落時の収入減少影響緩和対策の見直し、経営安定対策の拡充、煩雑な事務手続きの簡素化など、収入減少品目横断的経営安定対策の見直しや拡充も強く求めています。
 そのほか、農地・水・環境保全向上対策の継続化・恒久化や有機農業支援の強化なども訴えました。
 同席した井上義久副代表は、東北などの農家の声を踏まえ、米価下落対策に加え、転作に関し水田を荒らさずに済む飼料用稲作への転換支援を要望しました。
 若林農水相は、「公明党の皆さんが、春先から各地で調査活動を実施し、農業の現状を調べ、地域の農家の声を聞き、このように国政に反映させようとされていることに敬意を表する」と述べるとともに、「地域活性化を図るにしても農業の将来への展望を描けなければ難しい」として、「高齢化が進む中、農山漁村が苦しい現状が続いており、政府として対策に全力を挙げる。公明党もさらに力を入れてほしい」と、公明党のさらなる取り組みに期待しました。(若林農水相のコメントは公明新聞2007/11/14付けより引用)
農業改革四対策の見直しに関する申し入れ
平成19年11月13日
公明党農林水産部会
農林水産大臣 若林正俊 殿
 品目横断的経営安定策等については、実施の過程で様々な課題が提起されている。また、米価が大幅に低下し、農家が大きな直撃を受けているという問題に直面している。
 公明党は、そうした状況を踏まえながら、多様な担い手が支える地域農業を目指し、転作省令など他の政策との連係を図ると共に、農家の経営安定化に資するものとするために、政府に対して、下記の対策を講ずるよう申し入れる。
【小規模農業者等への支援】
●意欲的な農家等を「チャレンジ・ファーマー」とし、「担い手」へと育成・誘導する支援策を講ずること。
●小規模農家などが永続的に農業を続けられるよう集落営農組織への支援及び農業生産法人化への育成・誘導策を講ずること。
●営農を希望する小規模農家、高齢者農家などを「地産地消・担い手農家」として支援するため、直売所・ファーマーズマーケットの整備を推進すること。
【米政策改革の一層の推進】
●生産調整への取り組み体制の強化を図ること。
●産地造り交付金を抜本的に拡充し、生産調整、転作を一層推進すること。
●転作作物の生産拡大と、生産調整に協力的な農家の努力を評価するため、「奨励加算「継続加算」を行うなどメリット措置を講ずること。
【品目横断的経営安定策の見直し】
●転作作物や地域特産作物など品目横断的経営安定策の対象品目を拡充すること。
●収入減少影響緩和(ナラシ)対策の見直し、長期にわたる価格下落対策や10%超の大幅な価格下落隊sかうを講ずること。
●繁雑な事務手続きの簡素化を図ること(農地・水・環境保全向上対策も同様)。
【農地・水・環境保全向上対策の拡充】
●農地・水・環境保全向上対策の継続化・恒久化を図ること。
●営農活動への支援条件を緩和するとともに、環境保全型の畜産業も支援対象に加えること。
●有機農業などエコファーマー以上の取り組みに対するステップアップ支援ができるよう対策を拡充すること。
(写真は、農業者との意見交換を行う公明党茨城県本部代表の石井啓一衆議院議員)