参考写真 12月12日、県議会土木常任委員会が開かれ、井手よしひろ県議は道路特定財源の見直しについて、暫定税率が撤廃された場合の茨城県への影響について質問しました。
 井手県議の質問に対して、県執行部は「平成19年度当初予算案で道路建設関連の予算は1030億円。道路特定財源の内、ガソリン税や軽油引取税、自動車取得税などの暫定税率が撤廃されると、減収分は381億円に上り、道路関係予算は37%減の649億円となる」との試算を示しました。
 さらに井手県議は、新たな道路建設分、道路の維持・改修分、これまでの建設費の借り入れ返済分に3分類した場合は、その影響はどのようになるかを質しました。この質問に関しては、「平成19年度道路関係予算は、建設分に520億円、維持分に110億円、公債費(借金の返済)に400億円と分類される。道路特定財源の暫定税率が撤廃されると、維持分と公債費はほとんど削減できないので、新たな道路の整備を行うための予算は520億円から140億円程度に、一挙に4分の1に激減してしまう。これでは、生活関連道路も含めて、地方の道路整備はまったくできない状態になってしまう」と答弁しました。
暫定税率の撤廃反対に県議会民主党も賛成
 この日の委員会に先立ち、11日の県議会本会議では、「地方の道路整備に必要な財源の確保に関する意見書」が提出され、自民・公明・民主・自民県政クラブの賛成で採択されました。国会レベルでは暫定税率の撤廃を主張する民主党も賛成に加わり、地方の道路整備の現状が以下に深刻なのかを如実に物語る結果となりました。
地方の道路整備に必要な財源の確保に関する意見書

 道路は、日常生活や経済・社会活動を支える最も基本的な社会資本であり、本県の新しい飛躍と県土の均衡ある発展を図り、豊かで安心できる地域社会をつくるたためは、道路ネットワークの構築がより一層重要となる。
 しかし、本県では、ネットワークの全体が完成することで本来の機能が十分に発揮される高規格幹線道路の整備は、未だ6割程度であり、今後も着実かつ早期の整備が求められる。直轄国道については、4車線化率が24%と関東で最も低く、依然県内各地で慢性的な渋滞が発生する要因となっている。
 また、県が管理する国県道については、急カーブ等交通危険箇所、幅員狭小箇所、右折レーンがない信号設置交差点等の改善を要する箇所が合わせて3,000以上、歩道のない通学路が500km以上もあることなど、これらの早期解消が県民から強く望まれているところであり、さらに、今後20年で建設後50年経過となる橋梁の割合が5%から42%に急増することや、300箇所以上の道路法面対策が必要であることなど、安全・安心な道路管理を行うための維持修繕費の増大が見込まれる。
 このような中、道路特定財源においては、立ち遅れた道路の整備推進を目的として定められた暫定税率が平成20年春に適用期限を迎える。もしもこの暫定税率が継続されなければ、本県の地方道路特定財源は、約200億円の減収となり、今後の計画的な道路整備に多大な影響を及ぼすことが明らかである。
 そこで、立ち後れた地方の道路整備を推進するためにも、国においては、以下の施策を講じられるよう、強く要望する。
        記
1.受益者負担による合理的な制度である道路特定財源の趣旨を踏まえ、暫定税率を含めた現行制度を維持し、安定的かつ確実な道路整備のための財源を確保すること。
2.地方が「真に必要な道路」の整備を計画的に行うことができるよう、地方公共団体への道路特定財源の配分割合を高めるなど、地方における道路整備財源の充実強化に努めること。
3.国直轄事業費については、本来、事業主体である国が負担すべきであり、道路にかかる国直轄事業負担金を廃止すること等により、地方負担の軽減を図ること。
4.有料道路の料金割引等により、既存高速ネットワークの効率的活用・機能強化を図ること。
茨城県議会議長 飯野重男