参考写真 12月21日、「薬害肝炎訴訟を支援する会・茨城」のミーティングが土浦市内で開催されました。今年3月の県議会でウィルス性肝炎の国の取り組み強化を訴えた意見書をとりまとめた公明党の井手よしひろ県議をはじめ、田村けい子県議、地元土浦市の吉田千鶴子市議も出席しました。
 ミーティングでは、12月20日に国から示された和解修正案に関する原告弁護団からの見解が示されました。その中では、「この裁判は国と製薬会社の責任を明確にすることが目的であり、「全員一律救済」が唯一の解決策である」との強い決意が示されました。
 その後、茨城県内に住む東京原告団4名の内、当日参加した3人の原告が、今までの経緯と現在の心境などについて語りました。
 県南に住む女性の原告は、20年前に出産時の止血のために使用したフェビリノゲンでC型肝炎に感染。今までに3回のインターフェロン治療を行いました。周3回の治療で1回1万4000円余りの負担となり、多いときには1ヶ月で20万円もの出費となりました。20年間で延べ2000日も通院した計算になります。さらに、2回目の治療の際は、余病を併発してしまいました。甲状腺機能が低下し、いわゆる橋本病と診断されました。喉の渇きや眼の乾きがひどく、1日7回点眼剤を投与しなくてはならないほどです。この原告は、「C型肝炎患者の多くは、原因が特定できなかったり、カルテがなくて原告になれない人が多いのが現実です。心身ともぎりぎりな状況ですが、原告だからこそ、そうした多くの患者の皆さんを取り残して決着させることは、絶対にできません」と、語りました。
 また、新たに原告に加わった被害者は、1988年にお産の際に使用したフェブリノゲンで感染しました。慢性肝炎に至り、だるい、眠い、疲れて疲れてどうしようもない状況が続きました。インターフェロン投与を受けましたが、その副作用は精神的にも大きなダメージを与え、鬱状態や家族への暴力にまで至りました。「こんな苦しみは、他の人に2度と味合わせたくない」と、静かに訴えていました。
 原告の報告の受けて、参加者全員で意見交換が行われました。井手県議は、「この薬害肝炎訴訟は、全体からみると氷山のいっかくです。原因が特定できなかったり、カルテなどが無くて訴訟に至らないすべての患者さんのために、原告団の皆さまには頑張っていただきたいと思います。そのためには、『全員一律救済』以外の決着は考えられません。私どもは、皆さまの活動をしっかりとサポートさせていただきたいと決意しています」と述べました。

薬害肝炎原告「支援する会」土浦で初会合
読売新聞(2007/12/23)
3人が闘病体験語る
 県内在住の薬害肝炎訴訟の原告を支援しようと設立された「薬害肝炎訴訟を支援する会・茨城」の初会合が22日、土浦市大手町の市立一中地区公民館で行われた。
 弁護団の一人、後藤真紀子弁護士によると、県内には薬害肝炎訴訟の原告が4人いるという。会は県内に原告の支援活動を根付かせたいと7月に設立された。全国では19番目になる。
 この日の会合では、後藤弁護士が全国の訴訟の判決内容などを説明し、原告3人が自身の闘病体験や国、製薬会社への憤りを語った。11月30日に新たに提訴した原告の一人の40歳代女性は、出産時に血液製剤フィブリノゲンを投与されC型肝炎患者になった。女性は「治療中は、治療薬の副作用が怖くて、精神的にもつらい思いをした」と話し、支援を訴えた。
 また、30歳代の女性は「国は『悪かった』と罪を認めてほしい。病気で苦しみ、裁判でも苦しみ、どれだけ苦しめばいいのか」、60歳代の女性は「感染が分かった時は体から力が抜け、頭が真っ白になった。国の怠慢、企業の利益優先のためにこんなことになった」と怒りを込めた。
 後藤弁護士は「原告になっている人は患者の内の氷山の一角。原告は体力、精神共につらいところにきている。茨城でも出来ることをやっていく必要がある」と語った。