参考写真 茨城県県北臨海地域の3市(日立・高萩・北茨城)では、出産のできる産婦人科医療機関が不足し、深刻な問題となってます。この地域で、出産を取り扱っているのは、日立製作所日立総合病院(日立市)、北茨城市立病院、診療所の瀬尾医院(日立市)、助産所の加茂助産院(同)の4施設しかありませんでした。
 このような状況の中、12月27日、高萩市の草間吉夫市長と県北医療センター高萩協同病院の大和田康夫院長が記者会見を行い、来年5月から出産を含む産婦人科の診療を再開することを発表しました。市の働きかけなどで、高萩市出身の渡辺之夫医師(40)が常勤医を引き受けました。大和田院長によると、助産師5人程度を確保し、来年6月から分娩(ぶんべん)の受け付けを再開します。当面は月10件程度の出産を目指すとしていいます。高萩協同病院は、産科医がいた当時は市内で唯一の分娩できる医療機関で、年間200件の出産に携わってきました。しかし、04年10月から医師不在となり、産科は休診。新築された病院は一度も産婦人科の施設が使われずに現在に至りました。
 2005年には出産を取り扱う病院が日立総合病院と瀬尾産婦人科、加茂助産院だけとなってしまった時期もありましたが、北茨城市立病院、高萩協同病院と相次いで産婦人科が再開できることになりました。
 一方、産婦人科医師の退職が懸念されていた日立総合病院は、来年の4月以降も担当医の確保ができる模様で、県北地域の産婦人科の体制は維持できることになりました。
(写真は、高萩市上手綱の県北医療センター高萩協同病院)
参考:高萩協同病院のHP