1月11日、2度の延長を行い政府・与党が臨時国会の最重要法案とした新テロ対策特別措置法が、参院本会議で否決された後、憲法の規定に基づき、衆院の3分の2以上の多数で再可決され、成立しました。
 政府は新法を15日に公布し、即日施行します。これによって、今月下旬に海上自衛隊の補給艦と護衛艦の2隻をインド洋に派遣、2月中旬には給油活動を再開させることになりました。
 新テロ特措法は1年間の時限立法で、昨年11月1日に失効したテロ特措法に代わり、海自がインド洋で海上阻止活動に従事する米英などの艦船に給油・給水活動を行う根拠法となります。活動内容は給油・給水、活動地域は「ペルシャ湾を含むインド洋」と限定されています。
 この午前、テロ新法は、参院本会議での記名投票によって、民主、共産、社民各党や無所属議員の一部の反対で否決され、ただちに衆院に返付されました。これを受け、与党は憲法59条の規定に基づき、衆院で再可決するための動議を、衆議院に提出。動議を与党の賛成多数で可決した後、再可決のための採決を記名投票で行いました。その結果、賛成340票、反対133票で、賛成は出席議員の3分の2を超え、57年ぶりの衆院での再可決が成立しました。
責任放棄!小沢代表は採決に棄権
 衆院での採決の課程で、民主党の小沢一郎代表が、衆院本会議を途中退席し、新テロ対策特別措置法案の採決を棄権するという椿事が起こりました。臨時国会最大の焦点だった重要法案の採決を野党第1党の党首が棄権するという行為は、全く理解できません。
 新聞報道によると、小沢氏は午後1時から始まった衆院本会議の冒頭から出席していましたが、社民党の反対討論が行われていた1時30分過ぎに退席し、投票には姿を見せませんでした。鳩山幹事長は記者会見で「小沢氏は大阪府知事選の応援に向かった。(再可決という)暴挙に対して、公務として大阪府民に訴えかけている」と釈明しました。議会人にとって、投票という自らの意思を示す最も重要な行為を、自ら否定する小沢代表。無責任としか言いようがありません。
小沢代表、再可決前に退席=「常識ない」、民主内からも批判
時事通信(2008/1/11)
 民主党の小沢一郎代表は、新テロ特措法が再可決・成立した11日午後の衆院本会議を途中退席し、反対票を投じずに棄権した。小沢氏周辺は、大阪府知事選の同党推薦候補の応援のためとしているが、与野党攻防の最終局面での「戦線離脱」に、党内や他の野党から批判が相次いだ。
 小沢氏は本会議冒頭から出席し、再可決の賛否をめぐる討論に耳を傾けた。しかし、最後の4人目が討論している最中に退席。数分後に投票が始まり、与党席から「小沢代表はどうした」「本心では(再可決に)賛成なんだ」といったやじが飛び交った。
 同日夕、大阪市内での街頭活動を終えた小沢氏は、途中退席に関する記者団の質問には一切答えず、その場を立ち去った。
 民主党の鳩山由紀夫幹事長は記者会見で「(投票も選挙応援も)両方とも公務で、選挙の方を選ばれたということ」とかばった。しかし、党内からは「常識がない。今までやってきたことを全部ぶち壊した」(国対幹部)、「現場の士気にかかわる」(中堅)といった不満が噴出した。