1月17日、薬害C型肝炎問題で、感染原因となった血液製剤「フィブリノゲン」の納入先とされる医療機関を、厚生労働省は新聞折り込みで全国に広報しました。それ以降、県庁や保健所には問い合わせが殺到しています。肝炎検査希望者が増えることも予想され、保健所では態勢強化を図っています。
 フィブリノゲン製剤は、昭和39年に医薬品として承認され、現在も使用されている血液製剤です。平成6年頃まではC型肝炎ウイルス不活化処理が不十分であったため、これを投与された方はC型肝炎ウイルスに感染している可能性があります。この医薬品は、かつては、大量出血を止める目的で、産婦人科や外科など幅広い分野で使用されていました。
 読売新聞の取材によると、県の窓口となる保健予防課と薬務課には1月17日午前8時ごろから問い合わせの電話が入り始め、18日午後8時ごろまで、電話は鳴りっぱなしの状態となりました。「該当している病院で過去に手術を受けたり、出産したりしたので心配。どこで検査を受けたらいいか」といった質問が多かったといいます。結局、17日だけで県庁には約660件、18日には約460件の相談が寄せられるなど、2日間で1000件を突破しました。
 C型肝炎はC型肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気です。肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなりますが、多くの場合、重症化するまで自覚症状が現れません。このため、適切な治療をせずに放置してしまうと、肝硬変や肝がんに進行する場合がありますが、早期に感染を発見し、適切な治療を受ければ治癒も可能です。
 C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査で調べることができます。これまで検査を受けたことがない方は、かかりつけの医療機関や保健所などで検査を受けることが大切です。肝炎検査は、医療機関のほか、各保健所でも受けられます。保健所で行う肝炎検査は、C型・B型のセット検査で6920円です。受付曜日等は、以下のホームページでご確認下さい。
参考:C型肝炎の相談・検査窓口