2月1日、民主党会派の参議院議員9人(民主党議員6名、無所属3人)が、道路特定財源の暫定税率廃止に懸念を示し、代替財源を明示するよう求める連名の質問書を直嶋正行民主党政調会長に提出しました。
 既に民主党会派では、民主党の大江康弘氏ら3人と国民新党の4人が暫定税率廃止に反対を表明しており、暫定税率撤廃に懸念を表明する議員は16人の達しました。
 この質問書に名を連ねたのは全員当選一回で、川上義博(鳥取)氏のほか、民主党の前川清成(奈良)、武内則男(高知)、大久保潔重(長崎)、松岡徹(比例)、横峯良郎(比例)各氏と、無所属の森田高(富山)、広田一(高知)、外山斎(宮崎)の三氏です。
 時事通信の速報によると、記者会見した川上、広田両氏によると、直嶋政調会長は「地方の財源不足は国直轄事業の地方負担分廃止などで解消される」と説明したとされます。国の高速道路整備計画は維持する考えが示されましたが、国直轄事業の代替財源は今後の検討課題とされました。
 川上氏らは「地方への手当てはできると思うが、国の事業分をどうするのか。民主党の力量が試される」として、引き続き説明を求める考えを示しました。
道路特定財源に関する質問
(参議院民主党会派9人の民主党政調会長への質問)
 産業振興、災害・防災への対応、救急運搬など真に必要な道路は「生活の道」「命の道」である。特に、高速道路などの整備が遅れ ている地域はこれが原因でさまざまな格差を生んでいる。この格差 解消のためには「選択と集中」により優先的に地域の道路整備を進めなければならない。
質 問

 暫定税率の廃止に見合う代替とその規模を示されたい。
 確かに、暫定税率の廃止は原油高に苦しむ納税者にとって朗報である。しかし、現状のままでは暫定税率の廃止に伴い国地方併せて、約2兆6000億円もの歳入欠陥が発生し、国及び地方財政に深刻な影 響を与え住民サービスが低下することは必至である。
 説得力がある代替財源を明示しないままの減税は、将来世代につけをまわす危険性が高く、責任ある対応とはいえない。また、先行き不透明な日本経済に与える悪影響についても懸念される。以上の点により具体的な代替財源を示す必要がある。
 尚、民主党が提示している代替財源については以下の様な疑問があり納得できない。
○そもそも地方主権を標榜する民主党が、厳しい財政状況に置かれている地方自治体の税源を同意もなく一方的に削減するのは問題ではないか。
○国直轄事業の地方負担分廃止は、地方六団体も要望している政策であり賛同するものである。しかし、特定財源の地方分の代替財源にする場合、直轄事業の実施自治体と未実施自治体間の財政調整が明確でない。
○国直轄負担金の廃止分の代替財源として、道路、河川、港湾、空港事業などで繰越金を約1兆円見込んでいるが、そもそも繰越経費とは、使途が規定されており、やむを得ない事情で年度をまたぐものであり、その全てが余ったり不要なものとは言えない。仮にこれを財源としても一年でなくなるので代替財源とはならない。
○株式譲渡課税の軽減税廃止に伴う税収を道路財源に充てるとしている。株式譲渡課税による税収は株式市場の動向によるものであり、現在のような相場の状況では、保管財源とならない。さらにこの優遇措置は本年12月までとなっておりこの観点からも 補完財源として見込めないのではないか。
○暫定税率廃止に伴う地方財政の減収9000億の他に国の財源減収に臨時交付金7000億と補助金6000億が影響する恐れがあるのではないか。以上、質問の回答をお願いします。
平成20年2月1日