東京・中野区が茨城で風力発電、電力販売へ
読売新聞東京版(2008/2/7)
 東京都中野区は2月7日、茨城県常陸太田市に風車3台を設置し、電力の販売を始めると発表した。
 区は長期的に地球温暖化対策に取り組む方針で、電力事業もその一環。独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」によると、自治体が別の地域に風車を作るのは全国初という。
 区によると、風車を設置するのは、同市北部の標高約800メートルの山林。2013年の運用開始を目指す。平均風速5〜6メートルで、年約1千万キロ・ワット・アワーの発電が期待でき、東京電力が購入することになっている。
 この電力量は区役所本庁舎の年間使用量の3倍に匹敵する。電力会社を経由する形だが、「役所の使用電力を、環境に負荷をかけずに自ら賄う形になる」(区広報)という。
 事業費は約15億円。NEDOが約半額を補助する。

 東京都中野区が常陸太田市の里美牧場で風力発電を行い、東京電力に販売する計画を進めています。ほかの県に風力発電用の風車を設置し、得た電力を売却する珍しい取り組で、全国でも初の試みです。風力発電に適した立地条件でない自治体が、他の自治体と協力して発電に取り組む、この中野区方式に全国の注目が集まりそうです。売電で得た利益は、区内の環境対策費用に充てる予定です。
 中野区の計画では、出力2000キロワットの風車を10年間で区外に3基設置します。来年度は設置場所の風況調査などを行い、2013年度の稼働を目指します。
 1基あたりの設置費用は約5億円。年間約350万キロ・ワット・アワー(350万kWh)の発電が可能で、約900世帯の電力量をまかなえる計算です。売電で得た利益も、公共施設や民間へのソーラーパネル設置など、自然エネルギーの利用を促す費用に充てられます。
 この計画は、「中野区環境基本計画」の中で、「里・まち連携で区民風車の建設を進めます」との項目で位置づけられいます。
 設置場所は茨城県常陸太田市の「里美牧場」が予定されています。すでに、市の風力発電施設1基と民間(IPPジャパン)の風車計6基が、既に稼働しています。
参考:里美牧場風力発電所の開所式(2007/12/16)
参考:「中野区環境基本計画」素案(PDFファイル)