公明党が進める「保育ママ」制度の充実
 政府は2月27日、保育サービスの拡充などを目指す「新待機児童ゼロ作戦」を発表しました。認可保育所をはじめとした保育サービスを利用する5歳以下の子どもの数を、2017年までに現在の202万人から100万人増やし約300万人にすることを目標しています。認可保育所の入所待ちをしている人は現在全国で1万8000人程度ですが、潜在的な利用ニーズは高いと判断。受け入れを大幅に拡大することで仕事と子育ての両立を支援します。
 福田内閣メールマガジン(第20号 2008/02/28)で、福田首相は「『新』ゼロ作戦では、待機児童ゼロを目指して、保育所のみならず、幼稚園を利用した保育など、さまざまな保育サービスを拡充することで、今後3年間のうちに集中的に、受け入れ児童数を増やすための施策を講じていきます」と、そのの決意を披瀝しています。
参考写真 この「新」ゼロ作戦の中でも注目されるのが、自宅などで主に0〜2歳児の子どもを預かる家庭的保育(保育ママ)制度の拡充です。
 保育ママとは、保育士や看護師などの貿格を持った人が、自宅などで主に0〜2歳児の子どもを預かる制度です。保育所と同じく「親が共働きで面倒を見れない」といった子どもを対象にしています。保育者は1人で3人まで預かることができ、保育時間は一日8時間ほどです。
 保育ママ制度のメリット(利点)は、「日本子ども家庭総合研究所」の調査結果で見ると、温かい家庭的な環境の中で子どもが保育を受けられるという点が挙げられます。
 また、保育者にとっても、子どもの数が少ないことで、子どもの発達や個性に合わせたきめ細かな対応が可能です。
 保護者の希望にも柔軟に応じられ、子どもだけでなく、保護者とも密接な関係が築けます。
 このほか、子どもを日常的な家庭の生活リズムで育てられるという点が特徴です。
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 保育ママ制度は、保育所の待機児童の解消を促すため、2000年に国の補助事業としてスタートしました。
 2006年度は、実施自治体13市で保育ママ105人、利用児童数319人。資格要件を緩和し独自事業として実施している自治体も含めると、07年4月1日現在で74市区町村、保育ママ993人、利用児童数1639人となっています。
 少子化対策に全力を挙げる政府は、2007年6月の「経済財政改革の基本方針(骨太の方針)2007」で、「特に3歳未満児に対する家庭的保育(保育ママ)や事業所内保育施設を含めた多様で弾力的な保育サービスの拡充」を掲げました。
 同年12月の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略でも、保育ママの法制化を「08年度において先行して実施すべき」と保育ママ制度の重要性を強調しています。
 しかし、保育ママ制度は現在、「保育ママになる要件が厳しい」といった理由に加え、「保育ママが1人で子どもの面倒を見る場合が多く、孤立しやすい」「保育ママへの支援が十分でない」「事故が起きた場合の補償が明らかでない」というような課題が指摘されており、思うように活用されてこなかったのが実情です。
 そこで、厚生労働省は保育ママ制度を法的に位置付ける児童福祉法改正案を検討、通常国会への提出をめざしています。
 同改正案では、保育ママ制度を保育事業の一環として法律上に明記しました。保育ママの質の確保と一層の普及を図るためです。実施基準(省令)と、その下でのガイドラインも作成し、新たな保育ママになれる要件や研修の内容、時間などをくわしく定めます。
 法整備と同時に、予算額も拡充します。08年度は前年度より約5億1300万円も多い約7億3000万円に大幅アップ、利用児童数の予算枠も2500人と倍近くまで増やします。
 保育ママへの支援を充実するため、保育ママに対する巡回指導や相談を行う専任職員を配置。
 子ども一人当たりの補助額を現行の月3万6600円から5万4300円に引き上げ、賠償責任保険への加入や保育ママの報酬増を図り、なり手の確保につなげます。