2月29日、日本観光協会は平成19年度の「第15回優秀観光地づくり賞」(国土交通省、総務省後援)の最高位である金賞の総務大臣賞に、「蔵の街・真壁のひなまつり」を展開する桜川市を選出しました。この賞は、観光による地域振興を積極的に推進し、他地域の参考になるような観光地域づくりの成果を上げている団体などを表彰する制度です。茨城県では桜川市が初の受賞となりました。
優秀観光地づくり賞 金賞(総務大臣賞) 茨城県桜川市
参考写真 関東の名峰筑波山の麓にある桜川市真壁町は、古くから城下町として栄え、旧市街地には江戸時代のまち割りの中に、上蔵、見世蔵、門など数多くの歴史的構造物が残っている。歴史と石の町として栄えてきた真壁町だが、バブル景気の崩壊とともに、地域の活力源である石材業が衰退し、まちは活気を失い、住民たちは誇りまで失った。
 このような中、町民有志によって立ち上がったまちづくり団体『ディスカバーまかべ』が、蔵のコンサートや街並みフォトコンテストを、仲町商店会が「花いっぱい運動」や空蔵を活用した仲町休憩所をオープンさせるなど、町を良くしていこうとする住民たちによって真壁再興が始まることとなる。平成8年に創設された登録文化財制度にも積極的に取り組み、平成17年には登録件数が104棟になり全国三位を誇っている。
 登録文化財を見に来る観光客が増えたことで、住民意識も変化し、平成13年度には案内ボランティアが誕生、真壁菓子商による各店自慢の一品紹介マップの作成、酒屋の石蔵を活用した染め物工芸サロンなど次々と新しい試みが出てくるようになる。
 さらに平成15年、町民の有志によって始まった「蔵のまち真壁のひなまつり」には、平成19年、10万人を超える観光客が訪れた。来訪者だけではなく地域住民が楽しんだ「ひな祭り」によって町民は誇りを取り戻し、今では、「自分たちの手で出来ることから」を合い言葉に、様々な取り組みを自主的に行っている。
 桜川市では、増加した来訪者をあたたかく迎えるため、歴史的街並みに配慮した駐車場や公衆トイレを整備、また、「伝統的構造物群保存地区保存条例」を制定するなど点から面への本格的な保存事業に取り組み始めた。

参考:日本観光協会は平成19年度の「第15回優秀観光地づくり賞」