政府・与党、ガソリン税再可決の方向…4月末に元の値段に
読売新聞(2006/3/26)
 政府・与党は3月26日、ガソリン税の暫定税率を維持する租税特別措置法改正案など税制関連法案が年度内に成立しない場合、衆院で再可決を図る方向で検討を始めた。
 予定した税収を可能な限り確保することで、国や地方自治体の財政に与える影響を最小限に抑えるためだ。再可決されれば、いったんは下がったガソリンの価格は4月末には元の水準に戻ることになる。
 福田首相は、28日の2008年度予算成立を受けて記者会見をする予定で、この場で暫定税率維持の必要性などについて、国民の理解を求める考えだ。
 自民党の大島理森国会対策委員長は26日午後の与野党国対委員長会談で、民主党が求める各党の政策責任者、国対委員長による協議機関の設置の前提として、税制関連法案の参院での審議入りの確約を求めた。民主党の山岡賢次国対委員長は、「法案審議は修正協議を行ってから進める」と難色を示し、この日も平行線に終わった。
 税制関連法案が年度内に成立しなければ、4月1日から暫定税率が失効する。ガソリンの場合、上乗せされたガソリン税(揮発油税と地方道路税)の分、1リットルあたり25.1円安くなる。
 政府・与党が再可決を目指すのは、暫定税率の失効で、国・地方合わせて2008年度で2兆6000億円に上る道路特定財源を失うことになり、国民生活に大きく影響するためだ。野党がこのまま採決しなくても、憲法の規定により、税制関連法案の参院送付から60日間が過ぎた4月29日になれば、参院で否決されたとみなし、衆院の3分の2以上の賛成で再可決できるようになる。
 これに対し、民主党は与党が再可決すれば、首相の問責決議案を参院に提出する構えを見せている。

参考写真 暫定税率が撤廃されれば、地方は深刻な影響を受けます。茨城県の場合、その額は380億円余りに達し、新たな道路整備充てられる予算額は4分の1に激減してしまいます。その影響は、道路建設だけに止まらず、福祉や医療、教育関係予算へも悪影響を及ぼすことは避けられません。その影響を最小限に抑えるためには、暫定税率が執行している期間を出来るだけ短くする必要性があります。また、国民に対して暫定税率をいきなり撤廃できない理由を、政府はしっかりと説明する必要があります。
 その意味で、28日に福田首相が記者会見で国民に対して説明するということは、遅きに失したとの感はありますが、絶対に必要なことです。
 民主党内でも、「暫定税率の撤廃は国民に大きな影響を与え、地方の道路整備にとって死活問題になる」という考えを持った議員が大勢いることは事実です。特に、地方議会では、暫定税率の維持を見込んだ新年度予算に賛成している自治体が数多くあります。茨城県でも、3月21日に採決され、成立した平成20年度予算案には、自民、民主、公明、自民県政クラブが賛成し、圧倒的多数で成立しています。
 こうした現実を、小沢代表を中心とする民主党幹部はどのように評価するのでしょうか?