あらゆる対策検討/道路特定財源の暫定税率問題
日本工業経済新聞社(2008/03/28)
道路特定財源(揮発油税)の暫定税率延長を含む税制改正法案の年度内成立にいまだ見通しが立たない中、県では、平成20年度道路事業の一部見合わせなど、あらゆるケースを想定し具体的対応策の検討に入った。「財源がなくなった場合、どうしのいでいくか」が議論の焦点となる見込みで、国の動向を見極めながら、期限切れとなる今月31日にも最終的な県の方向性を見い出していく考えだ。
仮に、3月末で暫定税率が失効し、政府・与党が4月末に衆議院で再議決した場合、その空白となる約1カ月分の減収額には16億円程度が予測される。
20年度県予算の道路関係事業費は、約987億円(19年度は1030億円)。このうち、公債費を除く純粋な道路事業費は、建設費488億円、維持補修101億円の合わせて589億円(19年度は632億円)。
県の試算によると、もし暫定税率が廃止された場合、その影響は約361億円減額という形で表れる。
事業の性質上、債務負担行為が設定されている大規模事業や、道路利用者などの安全性を確保する維持管理補修に最優先で予算配分する必要があることから、そのしわ寄せは道路建設費にくるものと見られている。
国でも、財源が確保できなければ直轄事業の箇所付けもできず、事業停滞が予想される。
県単事業も例外ではなく、関係予算には地方道路特定財源や起債などが複雑に絡むことから、執行サイドの土木部では対応に頭を抱えている。
橋本昌県知事は、24日の会見で「このままいったら、ガソリンスタンドでの混乱、あるいは税務行政上の混乱などが予想される」との危惧を表明し、国政での早急な結論を求めていた。
県では今後、揮発油税の暫定税率問題に留まらず、道路特定財源全般にわたり、全庁的に対応策を検討していく構えだ。
3月31日での道路特定財源暫定税率の期限切れに対し、茨城県も具体的な対応策の検討に入りました。すでに新潟県では、前倒し発注を予定していた2008年度分の工事の一部、約20億円分の入札を凍結しました。
茨城県の20年度予算では、暫定税率が廃止されると361億の税収が減る見込みです。道路関連事業の合計は987億円で、道路の補修維持費や今までの借金の返済費用(公債費)を除いた純粋な道路建設費は488億円です。つまり、新たな道路を建設するための予算は4分に1に激減することになります。
また、暫定税率が4月29日以降再可決されると仮定すると、この間のおよそ1ヶ月で16億円の税収減となるとみられます。
こうした地方自治体の大混乱を目前にして、政府・与党は、期限切れぎりぎりまで野党との交渉を精力的に行うできです。