道路特定財源の議論は第2ラウンドに
参考写真 ガソリン税などの暫定税率が、4月1日午前0時で期限切れとなりました。ガソリンは、石油元売り業者から出荷する際に課税されているため、店頭の暫定税率が加算された高いガソリンの販売が終了するまで、数日間は値下げを見送るスタンドが多いと見られています。
 そのような中、県内で20店舗を展開する石油販売業者は、1日の開店時からレギュラーガソリンを20円値下げして販売を開始しました。井手よしひろ県議との意見交換でこの石油販売会社の社長は、「ガソリンが1日から安くなると思って来店するお客様とのトラブルは避けなくてはならない。高いガソリンを値下げする費用や、看板、POSの設定変更など数千万円単位の損失が出るが、やむをえない」と語っていました。
 暫定税率の期限切れに伴い、ガソリンにかかる税金は1リットル当たり約25.1円、軽油にかかる税金は約17.1円下がる計算となります。
参考写真 今回の混乱の責任は、政府・与党にあることは否定できません。しかし、参議院での一切の審議を1ヶ月も応じなかった野党民主党の責任の重さを指摘せざるを得ません。4月1日付の読売新聞は社説で、「民主党は、08年度からの一般財源化を譲ろうとしない。大人げない態度だ。暫定税率も即時廃止と言う。だが、すでに予算は成立し、現在の国の財政事情を考えても、減税するのは困難だ。民主党は、一般財源化を最優先させて修正協議に入り、一般財源化した後の使途などについて、与党と話し合ってはどうか。税制法案は、参院に送られてから1か月も棚ざらしにされた。異常なことだ。ようやく審議入りで合意したが、これ以上、審議の引き延ばしはあってはなるまい」と、民主党の姿勢に注文を付けています。
 5月のゴールデンウィーク前に、暫定税率を復活させるという厳しい選択を政府が行うとすれば、道路財源の使い方の透明化や効率化、国土交通省の天下り体質の一層など、国民に明確にする必要があります。一般財源化とともに、地球環境に優しい道路行政への転換を進めなくてはならないと思います。
「暫定」期限切れ 「再可決」をためらうな
読売新聞社説(2008/4/1)
 福田首相が、毅然(きぜん)とした政治姿勢を示すべき重大な局面である。
 ガソリン税など道路特定財源にかかわる暫定税率の期限が切れた。ガソリン価格は下がるが、財政に大きな穴が開く。混乱回避のため、政府は、できる限りの措置を講じなければならない。
 国民生活や地方財政の安定を図るには、暫定税率を早期に復活させる必要がある。
 ガソリンの暫定税率維持を含む税制関連法案は、4月29日以降、衆院の3分の2以上の賛成で再可決できる。首相はこれをためらうべきではない。
 与野党の修正協議が不調に終わるなら、憲法の定める民主主義のルールに従って法案を再可決、成立させる――。こうした政治的な意思をはっきりさせておくことが肝要だ。それが、混乱を最小限に抑えることにつながる。
 首相は、年度末の暫定税率期限切れを避けようと、大幅な修正案を示した。2009年度から道路特定財源制度を廃止し、一般財源化するというのが柱だ。
 だが、民主党は、08年度からの一般財源化を譲ろうとしない。大人げない態度だ。
 暫定税率も即時廃止と言う。だが、すでに予算は成立し、現在の国の財政事情を考えても、減税するのは困難だ。
 民主党は、一般財源化を最優先させて修正協議に入り、一般財源化した後の使途などについて、与党と話し合ってはどうか。
 税制法案は、参院に送られてから1か月も棚ざらしにされた。異常なことだ。ようやく審議入りで合意したが、これ以上、審議の引き延ばしはあってはなるまい。
 いったん下げられたガソリン価格を元の価格に戻す、つまり、「値上げ」は、政治的には難しいとの議論がある。
 だが、暫定税率の失効を1年間放置すれば、2兆6000億円という大幅な税収減になる。そのツケは、いずれ国民に回る。
 福田首相は、税制法案の再可決が不可欠であることを、国民に繰り返し説明してもらいたい。
 民主党は、与党が法案を再可決した場合、首相に対する問責決議案を参院に提出し、政権を追いつめる構えだ。しかし、問責決議案は、憲法や国会法をはじめ法的な根拠はどこにもない。
 首相の修正案は、自民党内の慎重論を押し切っての「政治決断」だった。国民への約束になった修正内容の実行でも、そうした指導力をみせてほしい。