公明党ホームページで配信中のウェブTV「お答えします」のユーチューブ版から、「暫定税率失効とその影響」について、北側一雄幹事長が質問に答え、解説している内容を転載します。
Q 3月末でガソリン税などの暫定税率が期限切れとなったが。
A 道路特定財源を含む税法(税制改正法案)は、衆議院で2月29日に可決し、参議院に送りました。ところが、この3月の1カ月間、全く審議が行われませんでした。参議院の国会運営の主導権は民主党が握っています。この民主党が税法を審議する本会議や委員会を全く開かせなかったわけです。そのため、参議院で税法の議決ができないまま暫定税率が期限切れとなってしまったわけです。これは極めて異常な事態で、前代未聞です。年度内に一定の結論を出すという、議長のあっせんでの合意も無視し、1カ月間全く審議をせず期限切れに追い込みました。民主党の狙いは、国民生活に混乱を来してでも福田内閣を追い込み、政局に持ち込みたいという一点です。政局の目的のために、国民生活や地方財政を犠牲にするのではなく、政府案、そして民主党が提出している対案を積極的に審議し、早く参議院としての結論を出してもらいたいと思います。
Q 暫定税率が失効したことによって、具体的にどのような影響が。
A 道路特定財源の中で、暫定税率部分は、収入の半分くらいを占めています。これは国と地方で年間2兆6000億円という巨額の収入で、地方財政だけでも国からの交付金も含めて1兆6000億円です。これが入ってこなくなったわけです。一番大変なのは、地方の県や市町村、地方自治体の予算の執行に大きな影響を与えています。道路の日常的な維持管理や緊急性の高いものしか当面はできなくなり、他は凍結となってしまいます。雇用にも悪影響を与えてしまうのではないかと心配しています。
Q 年度末に期限が切れる税法は道路以外もあったが、混乱を最小限に抑えるため政府・与党が打ち出した措置とは。
A 与党からは、道路以外の3月31日で期限が切れる税制について、2007年度の税制をそのまま2カ月間延長し、混乱させないよう提案。これは野党も了承し、法案が通りました。国民生活の混乱をできるだけ小さくしようという趣旨です。さらに、ガソリンスタンドの経営者への金融支援や地方への財政措置を講じていきたいと思います。
Q 福田首相が一般財源化を打ち出したが。
A 3月27日に福田首相が新しい提案をされました。道路特定財源制度は08年の税制抜本改正時に廃止し、09年度から一般財源化することなどが柱です。公明党としては、首相の提案を大きく評価しています。ぜひ、首相の新提案が実現できるよう公明党としても努力をしていきます。新提案については、マスコミも高く評価しているほか、民主党の中にも新提案に対し「革命的だ」と発言が出ているほどです。首相の新提案を軸に、与野党で協議をしていきたいと思います。
Q 衆議院の3分の2の再議決が注目されているが。
A その前に、まず参議院で精力的に審議をし、問題点を明らかにすること。そして、早く参議院での結論を出していただくことが先決です。しかしながら、地方財政などを考えた場合、この道路特定財源の暫定税率は、少なくとも08年度は維持をしていかなくてはならないと考えています。
Q 公明党は道路問題に関し、どのような取り組みをしてきたのか。
A 公明党が連立政権に参加する前の1998年度の道路予算と比べ今の予算案は約半分になっています。2割の道路コストを削減。さらに優先順位をできるだけ明確にして取り組んできたことによって、約半分の道路予算になりました。
 また、今指摘されている道路予算を使ったムダな支出を徹底して見直すため、4月末までに冬柴鉄三国交相(公明党)が改革案をとりまとめようと取り組んでいます。われわれもしっかりと応援していきます。今後も公明党は、苦しんでおられる中小企業やご家庭の皆さまにしっかりとこたえていける経済対策、景気対策に先頭を切って取り組んでいきます。