2010年春の開港を目指して整備が進められている茨城空港に関しては、様々なご意見やご質問をいただいています。個別にお答えしなくてはいけないところですが、重複するご質問を多く、このブログで適時ご回答させていただきます。
なぜ、自衛隊の滑走路を国や県の予算で整備するのか?
参考写真
 茨城空港には、既存の自衛隊機用の滑走路2700メートルがあり、それと平行して現在、2700メートルの民航用の滑走路の建設が進んでいます。既存の自衛隊用の滑走路は舗装が薄いために、国と県の予算で補強工事が行われます。その費用は、エプロンや誘導路、管制塔新設、航空灯火整備などと併せて250億円です。
 自衛隊の滑走路補強をなぜ、民間飛行場建設の費用で行うのかとの批判や質問が多く寄せられています。その理由は、自衛隊の滑走路も民間機用に使用するためです。現在の既存滑走路では、舗装が薄いために民間の旅客機を離着陸させることができません。そのために、補強工事が必要になります。
参考写真 なぜ、自衛隊機用の滑走路を民間機が使うかというと、荒天時や非常時の対策です。特に、荒天時にILSで着陸する場合、その設備は自衛隊機側にしか設置されていませんので、既存の滑走路にも民間機が着陸できるように整備する必要があります。民間機の滑走路にもILSを整備すべきとの意見もありますが、空港に反対する人たちの市有地があり300メートルの着陸帯が取れないことと、その設備に多額の投資が必要なことなどから、既存の装置を活用することになりました。
 なお、ILSとは、Instrument Landing Systemの略で、計器着陸システム装置のことです。着陸する航空機に対して空港に設置されたILS地上施設から、進入方向と降下経路を示す二種類の誘導電波を発射し、パイロットは悪天侯時においてもILSの電波を受信し、機内の計器を見つつ操縦することにより、所定のコースにそって安全に着陸を可能とする着陸援助施設です。ローカライザー、グライドパス、マーカーで構成され、悪天候などで滑走路が見えにくい時も計器だけを見て進入・着陸出来る装置です。ILSを備えていない空港も国内には沢山あります。
(写真は、春休みに行われた茨城空港の見学会で滑走路で手をつなぐ参加者)

茨城空港までのアクセスはどのように考えているのか?
 茨城空港の最大の課題は、空港までのアクセスの問題と言っても過言ではありません。残念ながら鉄道系のアクセス方法は、現在のところ計画されていません。基本的なアクセスは自家用車とリムジンバスになります。
参考写真 自家用車への対応では、空港に1300台収容の無料の大駐車場(広さ5.4ヘクタール)を整備します。関連の道路では、「北関東自動車道」が東北道まで平成21年度までに開通予定、関越道までが平成23年度までに開通予定となっています。北関東道からは、茨城町ジャンクションで「東関東道水戸線」に分岐し、茨城町南ICまでの区間が、平成21年度開通予定となっています。「常磐道」岩間ICからは、県道紅葉石岡線(約2.8kmバイパス整備)が、平成20年度供用予定となっています。「常磐道」千代田・石岡ICからは国道6号千代田石岡バイパスの工事が進められ、平成20年代半ば供用予定となっています。また、岩間ICと千代田・石岡ICの中間点には、ETC専用のスマートICが整備されることになっています。
 現在計画中の東関東道水戸線が成田方面に直結すると、文字通り茨城空港は成田空港と一体化し、そのアクセスは飛躍的に向上します。
 リムジンバスの運行に関しては、JR石岡駅から廃線となった鹿島鉄道の線路跡をバス専用線として整備して、茨城空港と直接結ぶ計画が進められています。この路線が実現すると、石岡駅と茨城空港は25分で結ばれます。
 また、常磐道、北関東道を通る高速バスの運行会社に対して、県ではバス路線の就航を働きかけています。
(写真は、春休みに行われた茨城空港の見学会で北関東道水戸線の建設現場を見学する参加者)