PTA共済廃業問題、文科省が積立金の使途開示要請へ
読売新聞(2008年4月28日)
全国の小中高生の保護者が加入するPTA共済団体のうち、少なくとも43団体が改正保険業法の施行に伴って総額50億円もの積立金を抱えたまま廃業する問題で、文部科学省は、保護者らが支払った積立金を廃業後どのように使うか、各団体に情報開示するよう要請する方針を決めた。
来月にも都道府県教育委員会を通じ各団体の積立金の額などの実態調査を実施し、積立金の使い道を公の場で決めることなども求める。
文科省はこれに先立ち、都道府県教委に対し、廃業を決めたPTA共済が積立金を整理する際、〈1〉保護者らに十分な説明をする〈2〉規約で積立金の処分法を決めていない団体は規約を整備する――ことなどを求めるよう既に伝えている。
PTA共済は、行政の監督を受けない無認可共済。団体数や各団体の積立金の額を把握している省庁はなく、PTA活動の振興を所管している文科省にも指導権限がない。しかし、PTA活動中の事故の治療費などを補償する共済事業がなくなることで、児童・生徒の保護者らが積立金の使途に不安を抱くことも予想されるとして、国として実態把握に乗り出すことにした。
読売新聞の全国調査では、保険業法の改正で今年4月以降、無認可共済が加入者から新たに掛け金を集めることができなくなったことを受け、43のPTA共済が廃業を決め、使われないまま残っている積立金の総額は50億円に上った。
気になる記事が今日(2008/4/28)付の読売新聞に掲載されました。2006年4月に施行された改正保険業法では、共済事業を巡る詐欺事件が相次いだことを受け、行政の監督を受けない無認可共済を禁じる規定が盛り込まれました。県内の小中高等学校の保護者が加入する「茨城県PTA安全互助会」も、この規制対象となり、 今年3月末までに法人化して組織を「少額短期保険業者」に移行するよう求められていました。しかし、法人格を持たない茨城県PTA安全互助会では、平成17年度末から掛け金を集めることを中止し、期末の残余金2億円をもって見舞金、死亡弔慰金、賠償見舞金などの給付事業を行っています。
長文の引用になりますが、茨城県PTA連合会のホームページに「茨城県PTA安全互助会」の理事長の経過報告が開催されていましたので、ご紹介させていただきます。
茨城県の場合、関係規則の整備も完了しており、健全な運営が行われているようです。改正保険業法でPTA共済の規制が強化されたのは、積立金を管理する各団体の体制が極めて脆弱なためです。担当者も、保険の専門家ではない人が多いのが現実です。積立金は掛け捨てですので、児童・生徒の保護者は、毎年入れ替わるためので、その使い道に関心が向くこともほとんどありませんでした。
茨城PTA安全互助会では、障害児などの場合、民間の保険に加入できないケースがあるとして、PTA共済を保険業法の規制外とする特例措置を求めていますが、2億円もの積立金を抱える団体が、公のチェックを受けるのは当然のことです。茨城PTA安全互助会では、「新組織体制での新たなスタート時期については、平成22年度を目標としたい」と述べています。誰にもわかりやすい結論を早期に出すことが望まれます。
参考:「平成20年度を迎えて」茨城県PTA安全互助会理事長の挨拶
参考:茨城県PTA連合会のホームページ
茨P安(茨城県PTA安全互助会の略称)では一昨年の改正保険業法を受けて、平成18年度より250円の負担金徴収を停止し、それまで積立てられてきた見舞金準備金を運営基金として見舞金給付事業を継続しております。平成18年4月の改正保険業法により、本会のような根拠法を持たない共済事業団体(無認可共済)は、特定保険業者届出のうえ平成20年4月より少額短期保険業者として登録するか、または廃業解散、いずれかの選択を迫られました。各都道府県PTAをはじめ多くの団体は、平成18年9月までに特定保険業者としての届出をし、少額短期保険業者への移行を目指しておりましたが、経過措置期限である今年3月までにその殆どが移行手続きを断念し、後始末のための膨大な行政事務手続を負担しながら廃業解散に追い込まれました。どの団体も少額短期保険業者として事業継続することは不可能であったようです。つまり通常の傷害保険では保障できない範囲をも、低額な負担金と互助精神でカバーしていくような事業は、営利目的会社では経営不可能・・・と。
平成18年3月に同様の選択を迫られた茨P安は、会員相互の互助精神に基づくPTA安全互助会の主旨を確認し、その精神を営利目的の保険会社(少額短期保険業者)になることでは守り通すことができない、との結論に達し、特定保険業者から少額短期保険業者への道ではなく、負担金徴収停止と基金が続く限り自主継続する道を選択するに至りました。そして、再度保険業法の見直しを切望しつつ制度存続の可能性を探りながら、今日に至っております。
茨城県の場合、関係規則の整備も完了しており、健全な運営が行われているようです。改正保険業法でPTA共済の規制が強化されたのは、積立金を管理する各団体の体制が極めて脆弱なためです。担当者も、保険の専門家ではない人が多いのが現実です。積立金は掛け捨てですので、児童・生徒の保護者は、毎年入れ替わるためので、その使い道に関心が向くこともほとんどありませんでした。
茨城PTA安全互助会では、障害児などの場合、民間の保険に加入できないケースがあるとして、PTA共済を保険業法の規制外とする特例措置を求めていますが、2億円もの積立金を抱える団体が、公のチェックを受けるのは当然のことです。茨城PTA安全互助会では、「新組織体制での新たなスタート時期については、平成22年度を目標としたい」と述べています。誰にもわかりやすい結論を早期に出すことが望まれます。
参考:「平成20年度を迎えて」茨城県PTA安全互助会理事長の挨拶
参考:茨城県PTA連合会のホームページ