千波湖で白鳥被害
憩いの場広がる不安「ひどい」憤る市民

読売新聞(200/4/29)
 「何でこんなことを――」。水戸市の中心部にあり、散策路やジョギングコースなどとして市民に親しまれている千波(せんば)湖で28日、白鳥や黒鳥の死骸(しがい)が見つかった事件。いずれも頭から首にかけて棒のようなもので殴られたような跡があり、現場では怒りや不安の声が広がった。
 白鳥と黒鳥の死骸は全部で7羽。巣の卵も割られていたが、凶器とみられる棒状のものは見つかっていない。かみね動物園(日立市)の飼育係、大内勇さん(38)は「白鳥より小さなタヌキや野良猫が白鳥を襲うとは考えにくいし、人間も子供では難しい」と話す。
 死骸が見つかったのは午前5時過ぎ。散歩中の女性が見つけ、「黒鳥が死んでいる」と110番した。湖面に浮かんでいるのを見た同市白梅、中村ひてさん(70)は「羽を伸ばした状態でうつぶせに浮かんでいた」と振り返り、「かわいそうで凝視できなかった。袋を持っていると鳥は餌だと思って寄ってくるので、寄せ付けて殺したのかもしれない」と声を震わせる。1日に2回餌を与えているというボート小屋の主人、出沢敏雄さん(72)は「犯人がわからないので、どこに怒りをぶつけていいかわからないが、何でこういうことをするのだろう」と憤りを隠せない様子だった。

参考写真 千波湖の白鳥や黒鳥は、市民に大事に見守られて育ってきたもので、ほとんど人間に警戒心を持っていません。右写真は今年1月に撮影したものですが、鼻のすぐ先までカメラを持って行っても、逃げずにポーズを取ってくれます。こうした白鳥や黒鳥に危害を加えることはいとも簡単にできると思います。それだけに、この蛮行に強い憤りを感じます。
 公明党水戸市議会では、早々にパトロールの強化や警察への告発などを市当局に求めました。

2008/5/4更新:水戸市内に住む13歳の男子中学生2人が水戸署の調べに対し、「自分たちがやった」と犯行を認める供述をしていることが5月3日、分かりました。水戸警察署同署は動物愛護法違反容疑で、生徒から事情を聴いています。
中学生2人「楽しくて殴った」と供述 千波湖の鳥死亡
産経新聞(2008/5/4)
 茨城県水戸市千波町の千波湖で4月28日、コクチョウやハクチョウ計7羽が頭を殴られるなどして死んでいた事件で、同市内に住む13歳の男子中学生2人が水戸署の調べに対し、「自分たちがやった」と犯行を認める供述をしていることが3日、分かった。同署は動物愛護法違反容疑で、事情を聴いている。
 調べでは、2人は「楽しいのでやった。現場近くにあった棒を拾って鳥を殴った」と供述。同署は棒を捜索している。
 また、4月17日にもコクチョウやハクチョウ計7羽が撲殺されているのが発見されており、同署は関連を調べている。
 4月28日の事件では、同湖北側の半周約1・5キロにわたる岸辺や湖中にコクチョウやハクチョウが倒れているのが見つかった。いずれも頭や首に殴られたような跡があった。