茨城空港名称の変更検討:知事「首都圏をアピール」
読売新聞(2008/5/17)
橋本知事は、5月16日の定例記者会見で、2010年3月に開港予定の茨城空港の名称について、「首都圏を打ち出すことを、これから検討していく必要がある」と述べ、変更を検討していく考えを示した。茨城空港は、国内線の就航が難航し、格安航空会社を含めた国際線の誘致に軸足を移している。関係者からは「海外の人に、東京に近いという優位性をアピールできる名前にした方がいい」との声が上がっていた。
「茨城空港」は、全国公募を基に昨年1月に決まった愛称で、空港の正式名は「百里飛行場」。橋本知事は「『東京北空港』といった名称では、東京都の空港と間違われる」などとする一方で、「首都圏」や英語訳の「東京メトロポリタン」といった言葉を愛称や英語名に加える案を示した。
また、格安航空会社などに対する優遇措置については「一番最初のところと10番目のところを一緒に扱う必要はない。最初に無理して入ったところにそれだけの優遇措置を考えることもある」と話した。
「茨城空港」の名称は、2006年に公募で決められた愛称で、正式名称は「百里飛行場」です。首都圏の第2空港としてLCCを中心とする国際空港の可能性を模索する県は、海外の航空会社や顧客にアピールするため、東京圏=首都圏の空港であることを積極的にアピールする必要性に迫られていました。
具体的には、「茨城空港」の英語表記を「Tokyo Metropolitan IBARAKI Airport:トウキョウ・メトロポリタン・イバラキ・エアポート」で検討しています。16日の記者会見で橋本昌県知事は、「東京北空港だと、(茨城県の空港ではないと)間違われるから嫌だが、首都圏ということを打ち出す意味はある」と語り、県の担当者が各国の航空会社を訪問した際、「東京という中心地に近いというイメージがあった方が良いんじゃないかというアドバイスをもらった」と説明しています。
先日の総務企画委員会の参考人からの意見聴取では、ドイツの「フランクフルト国際空港(Frankfurt internatinal Airport)」に隣接する、フランクフルト圏のセカンド空港が「フランクフルト・ハーン空港(Frankfurt-Hahn Airport)」という名称を使っている事例が報告されました。フランクフルト・ハーン空港は都心から120キロ離れており、名称問題で訴訟も起こされたそうですが、最近この名称を使うことが認められたそうです。フランクフルト・ハーン空港はLCCやチャーター便を積極的に受け入れることで、旅客数は99年の14万人から07年には430万人まで増えているとされています。
(写真はドイツの「フランクフルト・ハーン空港」)
ただ、世界的に「TOKYO」のネームバリューは、思っている以上に大きいものです。それ以上に大きなネームバリューは「JAPAN」。この辺の案配、外国人にも日本人にも反感を買わず、分かりやすいネーミングはどれか、難しい問題ではありますね。全体的に、個人的な意見として、随分といい方向に向かっていると思います。
今後もよろしくお願いします。