茨城空港利用促進等協議会総会で杉浦一機氏が講演
 5月19日、茨城空港利用促進等協議会の平成20年度総会が開催され、航空アナリスト杉浦一機氏が「茨城空港への期待と課題〜日本の茨城から、アジアのIBARAKIへ〜」と題して議演を行いました。
茨城空港利用促進協議会総会<杉浦> 杉浦氏は、茨城空港の成功のためには、まず第一に広報戦略体制の充実が必要と強調しました。特に、アジアを強く意識したコンセプトの修正が必要で、「国内地方空港」から「国際LCC空港」へのイメージの転換が必要であるとしました。
 その上で、名称が非常に重要であるとしました。具体的には、海外向けに、「茨城首都圏(Metropolitan)空港」「Tsukuba-IBARAKI Airport」「Nikko-IBARAKI Airport」など名前で、その空港の特徴を明示することが大事であると語りました。
 またLCCの拠点空港を目指すのであれば、観客である相手国の実情を充分に理解することが不可欠で、英語や中国語、八ングルなどでの情報発信を強化すべきだとしました。
 また、LCCの経営戦略をしっかリと理解した就航対策が望まれると指摘しました。日本のス力イマークやエア・ドゥを格安航空会社と理解している人がいるが、これは間違い。料金は割安であっても、世界のLCCのレべルとは全く違う。例えば、エア・アジアの場合、クアランプール=シンガポール間(364.8キロ)の航空運賃は3078円で、空港利用料や燃料付加料金を加えても、1万854円となります。一般の航空会社の場合、運賃は1万7237円と5倍以上の差があり、合計でも2万8933円と、3倍近くの差となっています。こうした圧倒的な価格競争カを理解しないといけないと強調。その低価格を実現するために、LCCは折り返えしに15分〜30分程度、到着から出発までの時間をいかに単縮するかを真剣に考えています。成田や羽田のような過密空港には、絶対に降りられないと指摘し、こうしたLCCのリクエストに茨城空港が答えられるかどうかが、成功の鍵であると語りました。
 杉浦氏は、具体的な数々の事例をもとに、茨城空港は日本における本格的なLCC空港の先駆けとして大いに期待できると結びました。