自民、公明の与党児童ポルノ禁止法見直しに関するプロジェクトチーム(PT)は5月22日、衆院第1議員会館で会合を開き、児童ポルノの単純所持の禁止などを柱とした、「児童買春・児童ポルノ禁止法」の改正案で合意しました。
参考写真 今回合意した内容によると、「自己の性的好奇心を満たす目的で」児童ポルノを所持した者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金とすると規定しています。
 また、漫画やアニメといった「擬似(準)児童ポルノ」と、児童に対する性的虐待などとの関係性についても、調査・研究することが附則に盛り込まれました。
 施行は今年(2008年)の11月20日(「世界こどもの日)とし、1年間の経過措置を設けて、周知徹底を図ることとしています。
 一方、民主党も22日、改正案の骨格を固めました。ポルノ画像を個人で集める「単純所持」について与党案よりも罰則の対象を絞り、(1)対価を払って取得(2)性的目的などで複数所持−−の場合に限る内容。6月4日の「次の内閣」で正式決定し、与党との修正協議に臨む方針です。国会会期末まで約3週間しかない上、単純所持規制の範囲を巡って両者の隔たりが大きく、与野党の合意は難しい状況です。
 インターネットなどでは、無償で子供たちのわいせつな画像が容易に入手できる状況があり、民主案では実効性の担保ができません。
 実際の運用上は、様ざまな課題が想定されますが、速やかな規制強化が望まれます。
 トレンド・マイクロのウィルスデータベースによると、「TROJ_MELLPON.A」というウィルス情報が登録されています。
 このウィルスが実行されると、不正プログラムは、自身と同じ名称のフォルダを作成します。そして、このフォルダには、違法な児童ポルノ画像が含まれてと報告されています。
 また、「VBS.Noped.A@mm」というウィルスは、ハードディスク内のすべてのファイルを検索して、児童ポルノによく使われるjpg画像のファイル名を検索し、そのファイルが見つかった場合、政府機関に告発のメールを勝手に送信します。
 こうした児童ポルノを勝手に送りつけるウィルスや、それを告発するウィルスが現に存在することを理解する必要があります。
 「児童ポルノの単純所持の禁止」とは、そのパソコンの中身に関するものの場合、非常にデリケートな性格を持つことを前提に議論する必要があります。
参考:児童ポルノ画像を勝手に保存するウイルス「MELLPON」と児童ポルノ単純所持を通報するウイルス「Noped」(Gigazin2008/5/23)