参考写真 今朝のTBS系のテレビ番組「みのもんたの朝ズバッ!」では、「後期高齢者医療・入院中75歳誕生日で医療費2倍!?」と題し、国保と長寿医療制度の高額療養費の自己負担の問題を取り上げていました。
 長期入院中のお年寄りが、月半ばで75歳の誕生日を迎えると、国民健康保健から長寿医療制度に制度が変更されます。その際、通常の医療費は日割りで計算されますので、特に問題はありませんが、高額療養費の自己負担分は、国保分と長寿医療分が、別々に請求されることになります。
 高額療養費制度とは、同じ病院や診療所で支払った1ケ月の医療費が、一定額以上であれば、それ以上の医療費を支払わなくても済むいう制度です。高齢者の場合、一定以上の収入がある場合は44,200円、住民税が非課税であれば24,600円、世帯で非課税で基礎年金以下の収入であれば15,000円以上の医療費が免除されます。しかし、例えば15日が誕生日であるお年寄りが1ヶ月入院した場合、14日までは国保の高額療養費制度の限度額44,200円が徴収され、15日からは長寿医療制度の限度額44,200が請求されるということになります。つまり支払う医療費が2倍になってしまいます。
 確かに、誕生日を境に医療費が倍になってしまうという不合理が起きるわけで、みのもんた氏の怒りも理解できます。
 でも、よくよく考えてみると、この不合理は長寿医療制度だけのものではありません。組合健保や政管健保などから国保に移行する場合も同じ不都合が起こります。ものもんた氏は、このことをもって「長寿医療制度を即刻廃止せよ」と主張していましたが、かなり論理に飛躍があるように感じました。
 他の医療制度の移行については、ある程度期間に自由度があります。しかし、長寿医療制度は誕生日で強制的に保険制度が変えられてしまいます。長寿医療制度の見直し作業の中で、是非取り上げてもらいたい課題の一つです。