
しかし、低所得者や高齢者などアナログ放送終了時までに、旧型のアナログテレビをデジタル対応テレビに買い換えが困難な、世帯に対する支援策が課題となっています。
総務省の情報通信審議会では、情報通信政策部会の下に設置された「地上デジタル放送推進に関する検討委員会」において様々な検討を進めてきましたが、6月27日、第5次の中間答申を公表しました。
答申では「経済的な理由テレビが視聴できなくなり、災害時を含めて必要な情報を得られなくなる事態が生じないよう、支援を行うことが適当」とし、09年度から生活保護世帯(約107万世帯)に対して、地上波デジタルが受信できるチューナーを無料で配布(現物支給)するよう提言しています。
さらに、前回の答申を引き継ぎ「09年夏までに5000円程度の安価なチューナーを開発できるよう取り組むべき」とし、メーカーへの積極的な対応を求めました。
このほか、アナログ停波についての周知徹底策や、難視聴世帯解消に向けた取り組み、地上デジタル放送の有効活用法などについてなどを盛り込んでいます。
(情報通信審議会の第5次中間答申の抜粋)
デジタル受信機は多様化・低廉化しているが、さらに一層の多様化・低廉化が望まれる。
○来年夏までに第4次中間答申で提言した「5000円以下の簡易なチューナー」の開発・流通が実現できるよう、引き続き取り組むべき。
○経済的に困窮度が高い世帯への受信機器購入等に対する支援は、以下のとおり実施すべき。
(支援対象世帯)
所得及び保有資産に厳格な基準を設けて運用されている「生活保護世帯」のうちアナログ放送を視聴している世帯
(支援内容)
各世帯のアナログテレビ1台で地上デジタル放送を視聴するために新たに必要な最低限度の機器等を「無償給付」。
具体的には、簡易なチューナーを給付するとともに、必要があれば室内アンテナを給付又は屋外アンテナを改修等。
(支援方法)
対象世帯からの申請に応じて「現物給付」
(実施時期)
2009年度から実施できるよう、具体的な支援の仕組み、方法等を検討すべき。
○高齢者・障害者等で一般的な周知広報では地デジへの対応が困難な世帯については、
・地元地方公共団体の協力を得ながら、いつでもどこでも繰り返し何度でも、きめ細かく受信説明会を開催すべき。
・個別に販売店や工事業者の紹介等を行うことにより、当該世帯が確実に地上デジタル放送に対応できるよう、特別にサポートを行うことを検討すべき。
説明会には参加できないような要介護世帯等については、
・地元地方公共団体、民生委員、ボランティア等の協力を得て、戸別訪問により、地デジへの対応をサポートすべき。
・アナログ放送終了の前に、確実に対応が終了しているかを確認すべき。
○今後、高齢者を含めて、デジタル放送の視聴者の裾野を広げていくため、使いやすい機器の普及が必要。

