参考写真 7月1日、井手よしひろ県議は、同じ公明党の田村けい子県議(つくば市選出)と共に、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所を訪れ、岡村正広研究管理官と低コスト育種研究チームの根本博チーム長より、非主食用米の栽培について研究成果や今後の見通しなどを聞き取り調査しました。
 作物研究所は水稲、小麦、大麦、大豆、さつまいも、ゴマなどの資源作物の品種改良と、品種改良のための新技術開発を行っています。また、これらの作物の栽培・生理研究と品質成分の生理遺伝研究を行い、品種の育成につなげるとともに、低コスト・高品質栽培技術を開発しています。
 根本チーム長らは、米の新しい需要を開くために、様々な用途向けの水稲品種を開発する研究を進めています。特に、北海道から九州までの各地域センターにおいて、各地域に適した生産コストの低い品種や新しい品質特性を備えた品種、そして飼料用品種など、新しい特性を備えた品種の研究を行っています。今回の聴き取り調査では、「水田農業活性化のための研究開発」とのテーマで、飼料用米並びに飼料用イネの栽培やバイオエタノール素材としての米、米粉の利用などについて、具体的でわかりやすい説明を伺いました。以下、その内容を列挙します。
  • BSE問題等を受けて、安心できる国内産の飼料用の水稲を栽培して、家畜の餌として利用する動きが進んでいる。餌として利用するためには、収量が高く、農薬が不要で、栄養価に優れるなどの特性を備えた水稲品種が開発が必要。輸入穀物の高騰によって、経済的にも収支が合う可能性が出てきた。飼料用水稲を栽培する体系は、生産調整(転作)の切り札として注目されています。日本の水田農業を守るためにも、飼料用水稲の生産拡大が必要である。
  • 水田農業と畜産の結合で、新たなエコサイクルを構築したい。転作田で飼料用イネを生産し、飼料として畜産農家に提供する。畜産農家は牛や豚の糞尿をリサイクルし堆厩肥として稲作農家に供給する。大分県の山鹿市バイオマスセンターでの堆肥脱臭システムなどが大いに参考になる。
  • 茨城県内では、稲敷市で先駆的に飼料用イネの生産が行われている。稲敷農協低コスト部会(代表:矢崎茂光氏)を中心に、旧東地区の約50件の農家が、約110ヘクタールの休耕田で飼料用イネを生産指定している。大型の刈取機やフォールクロップサイレージとしてイネを包むラッピングマシーンなどを所有した収穫業者(コンストラクター)が3軒あり、畜産農家との重要なパイプ役となっている。生産されたフォールクロップサイレージは常陸大宮市の瑞穂農場や地元の野口肥育牧場などに出荷されている。こうした成功例を大きく宣伝することが大切だ。
  • 安心・安全の茨城産の飼料米で育った牛肉や豚肉を、茨城県としてブランド化することが重要。山形県の平田牧場では、豚の飼料に飼料用コメを10%混ぜて飼育したところ、肉質が目に見えて向上しブロンド肉として評価が高い。飼料用イネを与えた牛は、ドリップが少ないなどの特長がある。千葉県の旭市では、市をあげてフォールクロックサイレージと畜産の連係強化を図っている。
  • 飼料用米の生産にあたっては、直播栽培が導入されている。しかし、直播栽培は技術的には非常に難しく、天候などの影響を受けやすい。直播きによって2割程度の労力は省くことは出来るが、収量は2割程度減ることを覚悟しなくてはいけない。直播栽培でも安定的に収穫できる品種も開発にも努力していきたい。
  • 米粉は年間12万トン程度生産され、現在は和菓子の材料として使われている。米粉パンの需要が増えており、埼玉県の松伏町の取り組みは有名(米粉パン製造販売「ブランジェ・アプレ」)。
  • 米の消費拡大には米粉の利用拡大も選択肢の一つ。米粉に適した品種改良を行っている。さらに、製粉技術の高度化も必要で、その両面から米粉による米粉パンの生産拡大を図りたい。
  • 電器メーカーのサンヨーが米粉を材料にパンが焼けるホームベーカリー(もちつきベーカリー:SPM-MP31)を販売して話題となっている。小麦価格の高騰を受け、農水省は米粉の増産を進めている。平成21年度に米粉普及関係予算を盛り込む予定。将来的には輸入小麦(年間500万トン)の半分を国産米粉で賄うことも可能になってきた。

参考:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構のHP