命救う連係プレー・消防が感謝状
読売新聞(2008/7/19)
 高萩市内で行われていたソフトボール大会の試合中に倒れた男性(45)を、チームメートら計5人が鮮やかな連係プレーで蘇生(そせい)させた。5人は近くに設置してあったAED(自動体外式除細動器)を使って救命に成功。18日に感謝状を贈った高萩市消防本部(小野真消防長)は「一次救命措置の模範」と絶賛している。
 6月1日午前9時15分ごろ、コーチャーズボックスにいるはずの男性の姿が見えなくなり選手らが捜したところ、ベンチ裏で倒れているのが見つかった。
 意識不明で心肺停止状態。まず心肺蘇生法の受講経験がある常陽銀行職員飯田侃さん(62)が心臓マッサージを始め、農業島田悟さん(35)は隣接する勤労青少年ホームからAEDを運び、同市職員の松下淳一さん(33)がAEDで電気ショックを施した。隣のテニスコートから駆けつけた日立市消防隊員の鈴木智伸さん(32)は、呼吸を回復した男性の気道を確保した。男性は約2週間の検査入院後に退院し、現在は社会復帰しているという。
 高萩市消防本部がAEDを使った人命救助で表彰するのは初めてという。表彰式で小野消防長は「素晴らしいチームワーク」とたたえた。出席した4人は「昔の知識を思い浮かべて人命救助できた」(飯田さん)、「昨年秋のAED講習を受け、公共施設にAEDがあることを知っていた」(島田さん)、「AEDのスイッチを押す時に指が震えた」(松下さん)、「AED講習以上の事ができた」(鈴木さん)などと、当時の様子を語っていた。

参考写真 公明党が公共機関への配備を進めている自動体外式除細動器(AED)が、高萩市内でその威力を発揮。尊い人命を救いました。
 6月1日、ソフトボールの試合中に男性が、ベンチ裏で意識を失って倒れているのを仲間が発見。協力して心臓マッサージ、気道確保などを行ないながら、AEDを使って蘇生に成功しました。AEDは隣接する高萩市勤労青少年ホームに、配備されていたもの。
 高萩市では、公明党の今川敏宏、菊地正芳両市議が設置の促進と、AEDを活用した心肺蘇生術講習の推進を訴えてきました。平成17年の9月議会で、菊地議員はAEDの早期配備を一般質問で市長に質しました。こうした動きを受けて、高萩市では、平成18年度から市内の小中学校、公共施設25ヶ所にAEDを設置されています。また、高萩市消防本部主催のAEDを使った救急講習受講者は6000人を越えました。
 この日、感謝状を贈られた市民の一人は、「AEDの有効性を広く知ってもらい、コンビニなどにも設置してもれえれば」と語っていると言われています。一層の配備充実と研修の強化が望まれるところです。
 写真は、AEDを使った人命救助で感謝状を送られた鈴木さん、飯田さん、小野消防長、島田さん、松下さん(左から:高萩市のホームページから)