7月22日、茨城県教育委員会は、大分県の教員汚職事件を受けて教員採用試験の透明性を高める方策を決定しました。
 それによると、1次試験に関して、合格者には結果を郵送で通知している現状に加えて、受験番号をインターネットと庁内に掲示することにします。不合格者には、郵送での結果通知と希望者には三段階に分けての合計得点を知らせてきましたが、今年の試験からは、合計得点と合格最低得点を通知するようにします。
 2次試験の結果も不合格者に対して、得点と最低合格ラインを知らせることにしました。
 さらに来年度からは、設問ごとの配点、選考の対象とする最低点(基準点)も事前に実施要綱で公開することになりました。
 茨城県では、1次試験の問題の公開、解答例の公開、小論文課題の公開などは実施されていました。このほかの内容でも、検討の必要があると判断すれば、改善を進めるといています。
 一方、井手よしひろ県議は、信頼性の回復と更なる制度の透明化を求めて、9月県議会では代表質問を行うことになっています。選考委員会への知事部局や外部識者の導入などの提案を現在、検討しています。
茨城県の教員採用の流れ
実施要綱各問題の配点や基準点を公開

問題作成県教委、学校等の職員

1次試験
(一般教養、教職専門、専門教科、実技、口述試験)
採点受験者名、受験番号を隠し、複数の者で採点
集計複数の者で行う
判定資料作成 
選考委員会採用予定者の1.8〜2倍を合格
結果通知本人に郵送で通知、庁内とインターネットで掲示。不合格者に得点と最低合格点を通知。

2次試験
(小論文、個人面接、集団討論、適正検査を実施。個人面接の面接官3人のうち1名は民間人を採用)
採点受験者名、受験番号を隠し、複数の者で採点
採点受験者名、受験番号を隠し、複数の者で採点
集計複数の者で行う
判定資料作成 
選考委員会 
結果通知本人に郵送で通知、庁内とインターネットで掲示。不合格者に得点と最低合格点を通知。

教員採用試験で県教委 合格最低点を公表
茨城新聞(2008/07/23)
 大分の教員汚職事件を受け、県教委は二十二日、本年度実施の採用試験から不合格の受験者全員に、本人の得点と合格最低点を通知することを決めた。教員採用試験の透明性を高めるのが狙い。来年度からは、一次の筆記・実技試験と二次の小論文・面接などの点数配分や基準点を募集要項に記載して公表する方針も決めた。県教委は「来年度の試験まで一年近くあり、ほかの改善点も含めて今後じっくり検討したい」としている。
 本県の教員採用試験をめぐっては、県教委が特定の受験者の合否を、依頼のあった県議や国会議員秘書らに例年、「長年の慣行」として個別に知らせていたことが既に分かっている。県教委は「口利きなどの不正はなかった。今後は一切の照会に応じない」と方針を改めたが、大分県の事件で採用試験の信頼性が大きく揺らいでいることを重視し、本人の得点や合格最低点、点数配分などの通知や公表にも踏み込んだ。
 試験問題の点数配分と基準点(合格の対象にする最低の点数)はこれまで、「配点の高い領域の勉強に力を入れるなど、受験者の試験対策に使われる可能性がある」(義務教育課)として一次、二次とも非公表だった。一次試験の問題や解答例は公開されているが、受験者は点数配分が分からず、試験後に自己採点できなかった。
 本人の得点も従来は不合格の希望者を対象に、点数ではなく「C1」「C2」「C3」の三段階に分けて通知するだけだった。
 県教委は、点数配分と基準点の公表を来年度実施の試験からとした理由について、「本年度は一次試験が今月六日に終了しており、この時期に配点の軽重を公表することは混乱が予想される」と説明している。
 また、県教委ホームページでの合格者番号の掲載について、これまで二次試験の合格者だけだったが、本年度から一次の結果も掲載することを決めた。
 本年度の試験結果は一次が八月七日、二次は十月上旬、受験者に郵送で通知される。