富山 7月31日、井手よしひろ県議はユネスコの世界文化遺産に指定された岐阜県と富山県にまたがる「白川郷・五箇山合掌造り集落」を改めて見学しました。
 20年前にも同集落を訪ねたことがあり、その後の変化を実際に確かめてみることが目的です。
 平成7年12月、岐阜県白川村荻町(白川郷)と富山県上平村菅沼、平村相倉(五箇山)の3つの合掌造り集落は、世界文化遺産に登録されました。
 このことにより、白川郷を訪れる観光客は、登録前で年間約60万人程度だったものが、世界遺産に登録されると格段に増え、平成8年に100万人、近年では150万人を突破しました。さらに、この7月には東海北陸道が岐阜から富山まで全通したことで、白川郷や五箇山までストレートで行けるようになり、その観光客の数は一層多くなることが見込まれています。
 しかし、実際に行ってみると20年前の合掌集落の趣は全くありませんでした。つつましく暮らしていた村の生活も一変し、観光客相手に売店、民宿、駐車場などを営む姿には、少し落胆させられました。
 考えてみると、合掌造りの住宅を守るためには、金銭的な収入が必要なわけで、多くの観光客が訪れ、お金を落とすということは歓迎すべきことなのだと、自分で自分を納得させました。
 日本では観光客の誘致のために、「ブランド」として世界文化遺産がもてはやされているような気がします。地域の活性化とその地域がもつ本来の文化の継承をどのようにバランスを持たせるか、その重い課題を、合掌の郷は私たちに課してくれています。