空港、地下鉄で実績下回る?需要予測甘く改善勧告へ
共同通信(2008/8/8)
 空港や地下鉄、工業用水道などの利用実績が当初見込んだ予測を大幅に下回り、3割から5割程度にとどまるケースがあることが7日までに、総務省の公共事業の需要予測調査で分かった。同省は8日、国土交通省など6省に対し、予測の精度を高めるなどの改善を勧告する。
 調査は、6省が直轄か補助事業として実施した計15分野の大規模事業から75件を選び実施。このうち施設の利用が始まり実績値が判明している空港、地下鉄など9事業33件の需要予測と実績値を比べた。
 地下鉄5件のうち、1日の利用客を11万957人と予測した福岡市地下鉄7隈線は2006年度実績で1日5万1909人で47%止まり。名古屋市営地下鉄名城線は48%、札幌市営地下鉄東西線は53%。一方、京都市営地下鉄東西線は同年度実績で当初予測に近い93%だった。

 8月8日、総務省は一部の公共事業で需要予測や見直し、検証が適切に行われていないとして、事業を所管する総務、厚生労働、農林水産、経済産業、国土交通、環境の6省に改善勧告を行いました。6省への勧告が行われたのは、今回が初めてとなります。
 総務省は、昨年4月から今月まで国道、空港、地下鉄、農地・農道など15分野について全国で計75カ所の事業を調査しました。その結果、13カ所で需要予測の不備があったり、不備を受けて見直しを行っていなかったことが判明しました。
 特に、空港整備では、新北九州(福岡県)、花巻(岩手県)、能登(石川県)の3空港は事業開始前に予測した路線数や乗降客数に達せず、需要見込みの不備が指摘されました。
5空港の重要見込みと実績との乖離
空港名需要見込み実績値実績/見込み
函館空港2,222
平成2年
2,275
平成17年
97.7%
広島空港2,978
平成7年
2,984
平成17年
99.8%
北九州空港2,833
平成14年
1,240
平成18年
43.8%
花巻空港565
平成14年
434
平成17年
76.8%
広島空港387
平成8年
164
平成18年
42.4%

 さて、現在、建設が進められている「茨城空港」の需要見込みは、80万7000人です。この需要見込みは、国土交通省が、茨城県内のみを起終点とする旅客需要(航空+JR)を対象として、羽田空港、成田空港、JR(新幹線等)との機関分担モデルにより算出しました。その前提条件は、開港時に札幌、大阪、福岡、那覇(路線成立需要を年間旅客数11万人以上に限定)の4路線が就航するものとしています。予測された80万7000人は乗降客数の合計値、1往復で2人と計算されています。いずれにせよ、国内4路線の就航という条件をクリアしないことには、問題外ということかもしれません。