9月20日、小沢一郎衆議院議員が民主党の代表に再選されました。小沢代表については、「潰し屋」とか「キレ者」(頭が切れるという意味ではありません。怒りっぽいという意味です)とかのイメージがついて回ります。政治資金の不明瞭さも常々指摘されています。
 いささか資料が古くなってしまいましたが、平成18年の政治団体収支報告書について産経新聞が分析した内容をもとに、小沢代表関連の政治団体の資産を列記してみます。
小沢一郎民主党代表の関連政治団体の資産
(平成18年 総務省届け出分=金額は繰越金)

陸山会10億8055万円
誠山会1億3735万円
小沢一郎東京後援会2706万円
小沢一郎政経研究会2134万円
改革国民会議11億8354万円
改革フォーラム216億9262万円
総  計31億4246万円
  • 改革国民会議は小沢氏が党首だった自由党の政治団体。
  • 民主党は平成15年9月24日、自由党の解党2日前に2億9540万円を自由党へ寄付。
  • 自由党は、2日後の平成15年9月26日の解党当日に、改革国民会議へ13億686万円(うち5億6096万円は、自由党への政党助成金)を寄付。
  • 国会で「政党助成金の返還逃れではないか」と追及された経緯もある(「政党助成金は、解散時に残高がある場合には国に返還しなければならない」=政党助成法第33条)。
  • 改革フォーラムは小沢氏が代表幹事を務めた新生党の政治団体。
  • 陸山会は不動産資産を含む。
  • (5),(6)について小沢事務所は「関係団体だが、小沢氏自身の政治団体ではない」と説明。

 疑惑の政治資金の中でも、注目が集まっているのが、自由党と民主党の合併時の不明瞭な金の流れです。
 2003年に民主党と自由党が合併する2日前に、民主党が解党2日前の自由党に3億円を寄付しています。自由党の解党当日には、自由党が実質小沢代表の政治団体である「改革国民会議」に対し、5億6000万円の政党助成金を含む約13億円を寄付していました。政治資金や政党助成金は、政党が解散するときには余った分を返却するのが国民の常識。それを、政治団体間で転がして、自由に使うことには、疑問の声があがっています。
小沢一郎の関連政治団体の保有する不動産一覧
1.仙台事務所
所在地:仙台市青葉区錦町1−3
登記日:平成15年4月30日
確認書日付:平成18年9月14日
2.盛岡事務所
所在地:盛岡市開運橋通3
売買日:平成15年3月18日
確認書日付:平成18年9月14日
3.深沢事務所・土地(476平米)
所在地:世田谷区深沢8−28
登記日:平成17年1月7日
確認書日付:平成17年1月7日
4.深沢事務所・建物
所在地:世田谷区深沢8−28
登記日:平成18年6月6日(池田秘書は登記が事務的に遅れたためと説明)
確認書日付:平成17年9月14日
5.チュリス赤坂事務所
所在地:赤坂2−17
登記日:平成6年1月25日
確認書日付:平成7年1月25日
6.水沢事務所
所在地:岩手県奥州市水沢区袋町6
登記日:平成11年11月30日
確認書日付:平成18年9月14日
7.政策事務所
所在地:赤坂2−17
登記日:平成6年2月22日
確認書日付:平成6年12月22日
8.赤坂事務所B
所在地:赤坂2−8
登記日:平成13年1月18日
確認書日付:平成18年9月14日
9.赤坂事務所A
所在地:赤坂6−1306
登記日:平成11年3月4日
確認書日付:平成18年9月14日
10.元赤坂事務所駐車場
所在地:元赤坂1−7
登記日:平成6年11月24日
確認書日付:平成6年11月25日
11.保管事務所(資料と機材の保管用)
所在地:赤坂2−14
登記日:平成6年12月22日
確認書日付:平成6年12月22日
12.南青山事務所
所在地:南青山2−2
登記日:平成13年12月22日
確認書日付:平成18年9月14日
13.元赤坂事務所
所在地:元赤坂1−7
登記日:平成6年11月24日
確認書日付:平成6年11月25日

不動産2室処分、1棟新築 小沢民主代表の資金管理団体
朝日新聞(2008/9/13)
多数の不動産を所有していると与党側から批判を受けていた小沢民主党代表の資金管理団体「陸山会」が所有マンションのうち2室を処分し、事務所兼秘書寮1棟を新築していたことが、12日に公開された07年分の政治資金収支報告書(中央分)や不動産登記簿からわかった。
 収支報告書や小沢事務所の説明によると、陸山会は昨年10月、東京都港区の一室を1300万円で売却。これまでに借り主から受け取った家賃483万円も返金した。また、小沢氏が会長を務める財団法人「国際草の根交流センター」に賃貸していた千代田区の一室は今年5月、財団に贈与した。
 一方で昨年3月、都内に建物1棟を新築していたが、この着工は資金管理団体の新たな不動産取得を禁じる政治資金規正法の改正論議が始まる前とされる。
 改正法(昨年6月に成立)は取得済みの不動産を手放すよう定めていないが、小沢代表の事務所は「改正法の趣旨に沿って処分できるものから処分していく」としている。

 平成19年の政治資金報告書によると、小沢民主党代表の資金管理団体「陸山会」は高級マンション2室を処分し、新たに事務所兼秘書寮1棟を新築しました。
 今年6月に改正された政治資金規正法では、政治家の資金管理団体の不動産取得を禁じていますが、新築着工が改正前なので、問題ないとしています。
 こうした一連の不動産物件の実態について、「"党首は不動産王?!" 小沢一郎衆院議員の豪華マンション一挙世界初公開」との動画がYouTuebeに掲載されていますので、ご参考のために転載します。

(「報道とメディアを考える会」第三弾。次期総理大臣候補・小沢一郎衆院議員について、我々国民は知りうることすべてを知る権 利がある。しかしながら、いまのこの国の報道とメディアのスタンスは、明らかに我々の期待を欺い ているといえよう。小沢氏が所有する豪華マンション、および『隠し資産裁判』の真実に、「報道とメディア を考える会」が迫る )