麻生氏「抜本的に見直すべき」 後期高齢者医療制度
産経新聞(2008/9/21)
 新総裁就任が確実視される自民党の麻生太郎幹事長は21日、フジテレビなどに出演し、今年4月に導入された75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度について「国民に納得していただけない。ダメだと分かったら抜本的に見直すべきだ」と語り、麻生政権発足後に制度を見直す考えを示した。
 麻生氏は現制度について「まず後期高齢者という名前はいただけない。75歳で一律に線引きし、保険料を天引きするのはどうか」と問題点を指摘。制度の骨格は維持した上で、保険料引き落としのあり方や線引きの是非など幅広く修正を進める考えを強調した。民主党が主張する現制度の廃止については「7割の方は今までより保険料が安くなったのに廃止すると元に戻る」と否定した。

 長寿医療制度について、自民・公明の政権協議の直前に舛添要一厚労相から「大胆に見直すべきだ」との発言がありました。一部には、厚労相の発言を長寿制度「廃止」と報道したマスコミもありました。
 長寿医療制度導入により7割以上の方の保険料が安くなっています。廃止の報道は、厚労相自らお年寄りの負担増を容認するのかと驚かされました。
 その後、山口那津男政調会長が舛添厚労相と直接意見を交わした内容が伝えられ、発言の背景が明確になってきました。「現在の高齢者医療制度は10年もの議論を尽くした末にまとまったものであり、国民の皆さまに、しっかりと制度を理解していただくことが基本であり、まずは、現行制度に基づいて、都道府県の広域連合や市町村とともに粛々と制度の運営を進めることが必要だ」ということです。
 長寿医療制度について厚労相は「法律でも5年後の見直し規定があるが、漫然と5年間待つのでなく、よりよい制度に改善するために議論を前倒しして行っていく必要がある」との考えです。
 その上で厚労相は、制度の理解が進まない部分を改善していくために、(1)年齢のみで対象者を区分しない(2)年金からの保険料天引きを強制しない(3)現役世代と高齢者の世代間の争いを助長しない仕組みに、などの論点を示したものです。
 「年齢で区分しない」というのは、例えば75歳以上でも現役で元気に働いている方は、会社の健康保険組合に残ることも選べるように検討してはどうかということです。
 「天引きの見直し」は、すでにスタートしています。一定の年金以下で、過去に支払いの遅れなどがない人は、銀行振込による普通徴収が可能となっています。
 4月にスタートした長寿医療制度ですが、公明党の戦いによって低所得者の負担軽減など、大きな見直しが実現しました。
 この改善に満足せず、今後1年以上かけて継続して議論していくことは非常に重要なことです。
 自民党との連立合意には、「長寿医療制度をよりよい制度に改善する」ことが明記されました。
 制度の発足当初、長寿者の方への説明が不足し、理解を得られなかった反省もありま。現行制度を運営しつつ、長寿者の心情に深く配慮し、合意できる改善点があれば、速やかに実行していくことが大事です。
長寿医療制度の見直しについて
山口那津男公明党政調会長