想定外の大型機就航予定 茨城空港共産党調査 滑走路耐久性に課題?
東京新聞(2008/10/30)
 2010年3月開港予定の茨城空港の滑走路が、最大165トンの旅客機の離着陸を想定して設計されたにもかかわらず、県は就航に関心を示すマレーシアの格安航空会社(LCC)「エア・アジアX」保有の200トン以上の旅客機を離着陸させようとしていることが29日、分かった。将来的に滑走路などの耐久性に問題が生じる可能性が出てきた。
 現地調査した共産党国会、県会議員団が同日、会見で明らかにした。
 これによると、茨城空港は当初、国内路線を就航の基本としており、最大165トンの短中距離用旅客機が離着陸できる厚さや地盤強度で滑走路を設計、ほぼ完成した。
 しかし、現状では国内線の就航表明はなく、エア・アジアXなどが就航に前向きなため、県は従来の設計を変更しないまま、同社が保有する230トン級の旅客機が離着陸できるよう国土交通省と交渉しているという。
 同党の塩川鉄也衆院議員は「当初の国内路線をLCC(エア・アジアX)に切り替えようとしている時点で、県民のための空港としての計画は破たんしており、中止するべきだ」などと指摘した。
 この問題について、県空港対策課は「航空機の重さや離着陸の頻度を調整すれば、クリアできる問題だ」との認識を示している。
 同省関東地方整備局によると、想定を上回る重量の航空機が就航すると、滑走路そのものよりも、その下の地盤の強度が問題となる。担当者は「一週間に数便程度ならば現在の設計で安全性に問題はない」としながらも、長期的な利用によって「将来、抜本的な改修が必要な可能性はある」としている。

bmi Airbus A330-200 (G-WWBB) in the take off queue at London (Heathrow) Airport, England.Photographed by Adrian Pingstone in November 2005 and released to the public domain. 茨城空港の建設そのものに、当初から反対している共産党の指摘に、マスコミ各社が踊らされている内容の新聞報道となってしまいました。
 茨城空港は、国内線の中小型機を想定し、最大離陸重量を165トンとして滑走路面の整備を行っています。しかし、LCC対応空港として、本格的な方向転換を行い、今年3月よりマレーシアを拠点とするエアアジアXとの就航交渉に入ったことは既報の事実です。井手よしひろ県議らは、エアアジアXが茨城空港に就航させようとしている機体が、エアバス社のA330であることを当初より、県空港対策課から説明を受けていました。
 そして、県はエアアジアXとの交渉にあたっては、最大離陸重量が230トンであるA330の就航を前提に、空港を管理する国との調整を行ってきたのも事実です。
 なお、A330の最大離陸重量は230トンですが、この内、燃料が80トンを占めます。一番問題となる、着陸時の最大重量は、当然燃料が相当量少なくなっていますので、実際の運用上、現在の舗装強度でも安全上の問題がないと、県空港対策課より説明を受けています。
 確かに、LCCが本格的に就航し、一日数十便が離着陸する状況になった場合は、改修や補強が当然必要になると考えます。しかし、それは嬉しい誤算であり、開港後に計画的に行っていけばよい問題です。
 それを今更この時期に、重大な欠陥の暴露のごとく記者会見する共産党の見識には、若干の疑問を感じます。
(当初の記事に正確さを欠く記述がありましたので、2008/11/4一部削除、加筆訂正しました)