11月13日、県議会決算特別委員会が開かれ、平成19年度の茨城県生活環境部ならびに保健福祉部の決算ついて部門別審議が行われました。
 井手よしひろ県議は生活環境部関連で、1)原子力安全等推進基金の使途について、2)エコフロンティアかさまの運営状況、3)消費生活センターの拡充と機能強化、4)防災ヘリコプターの運用状況と更新について、の4点にわたって執行部の対応を質問しました。
 1999年9月に発生したJCOの臨界事故を契機に国から交付された「原子力安全等推進基金」は、周辺住民の健康増進や地域の活性化などに使われることのなっており、19年度末で92億8267万円の基金が積み立てられています。この内、県立病院の整備とJ−PARC(大強度陽子加速器)関連の研究支援施設整備に、45億円余りを支出することが既に決まっています。井手県議は、このような現状を踏まえ、JCO周辺住民の健康診断を50年程度の長期間にわたり継続的に実施するよう求めました。原子力安全対策課長は、関係者が存命である間は続けていくとの答弁がありました。
参考写真 「エコフロンティアかさま」とは、茨城県笠間市にある茨城県が建設主体となって建設した公共関与の管理型産業廃棄物の処分場(最終処分場)です。県が約240億円余りの予算を投下し、砕石場跡地を埋め立て建設しました。溶融処理施設(ガス化溶融炉+発電施設)を併設しています。
 平成19年度、県は施設を運営する(財)茨城県環境保全事業団へ25億円の短期貸付を行いました(年度初めに貸出し、年度末に返済を受けています)。これは、廃棄物の減量化やリサイクルが進み、搬入量・処分量が伸び悩んでおり、当初の資金計画が達成できず、資金繰りが悪化しているため行われました。井手県議は、計画的な事業運営に務めるとともに、県外からの廃棄物搬入は行わないよう要望しました。
 また、インターネット上の百科事典であるウィキぺディア(フリー百科事典『ウィキペディア:Wikipedia』)の「エコフロンティアかさま」の記載が、偏った見解によって記載されているのではないかと指摘。閲覧した方に、誤った認識を与えてしまうのではと懸念を表明しました。さらに、管理者である環境保全事業団は、明らかに事実と異なっている場合は、編集に参加すべきであると主張しました。
参考写真 防災ヘリコプターの運用状況と更新について質問しました。茨城県の防災ヘリは、平成7年7月に就航しました。平成20年度までに稼働時間は4200時間に達しています。通常4800時間でエンジンの分解整備などの大規模な点検が必要になります。その意味では、ここ数年来に更新のタイミングが到来するため、新規導入も含めて計画的に検討するよう求めました。
 また、消費生活センターの充実については、要望の強い休日・夜間の相談体制の充実や情報を共有するための「パイオネット」の接続推進、市町村センターの充実について質しました。
 県の消費生活センターは、土曜日曜休日の相談業務を行っていません。水戸市のセンターが土曜日の相談業務をはじめたところ、大変好評を得ています。センターの利用者が平日働いている方が多いこともあり、業務日の拡大を強く求めました。
 また、市町村センターが開設されているにも係らず、5つの自治体が全国的なネットワークであるパイオネットに接続されていない実態をもとに、国ならびに市町村に働きかけることを要請しました。
参考写真