エア・アジアXのアズランCEO(右)と橋本昌茨城県知事(2008年7月茨城県庁で:空港対策課より写真提供を受けました) 茨城県の橋本知事は、茨城空港への「エア・アジアX」の就航要請のトップセールスのために、12月10日、11日の2つ日間の予定でマレーシアを訪問することになりました。井手よしひろ県議らには、11月26日に開かれた12月県議会の予算内示会で、正式に渡航の許可を求める説明がありました。県議会開会中に、知事が海外出張することは異例であり、茨城空港への正式な就航表明をできるだけ早い時期に取り付けたい、橋本知事の強い姿勢の表れと、評価したいと思います。
 国内線の就航交渉が難航している茨城空港にとって、海外の格安航空会社(LCC)をターゲットとするLCCT(ローコスト航空会社対応空港)としての新たなビジネスモデルの確立は、どうしても避けられない課題です。アジアのLCCのなかでも最も成功している航空会社といわれているエア・アジアXとの就航交渉がまとまるかどうかは、今後の田航空会社との交渉の上でも大変重要なポイントとなります。すでに、エア・アジアXのアズランCEOが7月、茨城空港の視察に訪れ、県庁で橋本知事とも会談しています。その際、アズランCEOは「茨城空港は東京に近いという大きな利点があり、最も可能性のある空港」と、就航に向けて前向きな姿勢を示し、「金銭面で折り合えれば、すぐにでも就航を決める」と語りました。また、その際課題として指摘された、マレーシアから日本に入国する場合のビザの取得勧奨制度の見直しについて、茨城県などの働きかけにより、この10月より、大幅に申請要件が緩和されました。
 こうした時機を逸することなく、トップセールスを行うこととなったと思われます。
知事、来月マレーシアへ
読売新聞(081126)
茨城便就航トップ交渉
 橋本知事が12月前半にも、2010年3月に開港する茨城空港の国際線の就航先として有力候補に挙がっているマレーシアを訪問し、同国の格安航空会社「エア・アジアX」のアズラン・オスマンラニ最高経営責任者(CEO)と2度目のトップ会談をすることが25日、わかった。交渉の進み具合によっては、エア・アジアX側から就航表明を得られる可能性もある。12月県議会開会中のため、県議会の了承が得られ次第、正式に決定する。
 橋本知事が就航交渉で海外を訪れるのは、7月の韓国訪問に続いて2回目。関係者によると、知事は、クアラルンプール国際空港や同市内の観光地なども視察する予定で、アズランCEOとは就航に向けた詰めの協議を行うとみられる。
 エア・アジアXとの就航交渉をめぐっては、アズランCEOが7月、茨城空港の視察に訪れ、県庁で橋本知事とも会談した。その際、アズランCEOは「茨城空港は東京に近いという大きな利点があり、最も可能性のある空港」と、就航に向けて前向きな姿勢を示し、「金銭面で折り合えれば、すぐにでも就航を決める」と語った。
 ただ、エア・アジアXは、茨城のほか、羽田、札幌、名古屋など複数の空港とも協議をしている。
 中でも、10年に国際線の発着枠が大幅に拡大する羽田は、東京の空港という立地の点で、エア・アジアX側が最重要視しているとみられ、「首都圏の空港」を強調している茨城空港と競合している。県は今回の交渉で再度、着陸料の安さなどをアピールし、早期の就航表明を引き出したい考えだ。
 一方、マレーシア人の短期滞在査証(ビザ)の申請手続きが簡略化されたことは追い風になりそうだ。アズランCEOは7月に来県した際、日本のビザ取得手続きが複雑な点を、懸念材料の一つに挙げていたが、ビザ要件が9月1日に改正され、旅行代理店発行のフライト予約確認書や宿泊予約書などの提出が不要になった。県は、北関東磐越五県知事会議などを通じて、政府に規制緩和を働きかけてきた経緯もあり、こうした成果も交渉材料にするとみられる。
 エア・アジアXは、格安航空大手「エア・アジア」傘下で、中長距離の国際路線を格安で運航している。現在は、クアラルンプールと豪州・ゴールドコーストなどを結ぶ国際線を就航させているが、今後5年間で、日本のほか、韓国、インド、中東などへの路線拡大も検討している。